寝ようと思ったら読書はNG?(※イメージ)

 人生の4分の1は睡眠時間。ここを充実させられれば、日々の満足度は高まるはず。「睡眠のスペシャリスト」三島和夫医師が説く、ちょっと意外な快眠のコツとは――。

■寝つけない時は寝室から出る

 寝ようと思ってふとんに入ったけど目がさえて眠れない──。焦りつつも「横になっていれば体は休まるから。いつか眠れるだろうし……」と自分に言い聞かせた経験はないだろうか。

「これは不眠の人は絶対やってはいけないこと。やるからさらに眠れなくなるんです」と三島医師。自然に眠りに落ちようと、ふとんに入って眠れないままじっと我慢していたり、本を読んだり、音楽を聴いたりするのは、脳波上はすべて覚醒する作業。寝室に行っても眠れないという体験を続けていると、パブロフの犬のように「寝室=眠れない場所」と条件付けされてしまうという。

「ふとんに入って10分経っても寝つけないなら、思い切って寝室を出てほかのことをする。眠くなったら寝室に戻ると、スッと眠れます」

 もし眠くならなかったら?「その日は朝まで起きていてもかまいません。ずっと何日も起きていることなんてできませんから、翌日の晩は眠れます。人間は最低限の睡眠はとるようにできているんです」

■お肌の黄金時間22~2時でない

「お肌のゴールデンタイム」という言葉を聞いたことがある人は多いだろう。睡眠中に肌の再生を促す成長ホルモンがさかんに分泌される時間帯のことだ。22~翌2時がそれにあたり、この時間帯に睡眠をとると成長ホルモンがたっぷり分泌され、新陳代謝が促されるので、肌がきれいになったり背が伸びたりする効果が期待できるといわれている。とくに女性には「眠くないけど、お肌のためにゴールデンタイムにはふとんに入るようにしている」という人もいる。

「確かに成長ホルモンは『美肌ホルモン』でもありますが、22~翌2時がゴールデンタイムというのは完全な誤解です」と三島医師は話す。

「成長ホルモンの分泌が増えるのは、浅い眠りよりも深い眠りの中。その深い眠りは、眠りはじめから3時間くらいがいちばん現れやすいのですが、時刻とは関係がありません。つまり世間で言うお肌のゴールデンタイムが終了した午前2時から寝はじめたとしても、そこから3時間くらいぐっすり眠ることができれば、成長ホルモンはたっぷり分泌されます」

AERA 2016年1月11日号より抜粋