「生ビール冷えてます」は間違い? 意外に知らない生ビールサーバの仕組みとは
最高気温が25度を超える夏日が続いてくると、恋しくなるのがジョッキに注がれた生ビールだろう。仕事帰りに酒場の店頭のポスターや幟(ノボリ)旗に「生ビール冷えてます」という文字を見つけると、思わずゴクリと喉が鳴ってしまいそうだ。
ところで、この「生ビール冷えてます」という魅惑的なコピーが、実はほとんどの酒場ではウソであることをご存知だろうか。
まず「生ビール冷えてます」のウソとマコトを見分けるためには、ビールサーバの仕組みを説明しなくてはならない。ビールサーバには大きく分けて2種類ある。
1つは「樽冷式サーバ」というもので、「生ビール」の樽がセットされている部分が冷蔵庫になっていて、樽自体を冷やすタイプ。つまり、上が注ぎ口、下が冷蔵庫という構造だ。メリットは品質の維持に優れていること。デメリットは予備の樽を入れておく必要があるため、非常に装置が大きくなってしまい、設置するスペースが取りづらいことだ。
もう1つは「瞬冷式サーバ」といって、サーバ内部に水槽があって、冷凍機で水を冷やして氷を作るようになっているもの。その水槽の中でパイプがコイルのようにグルグルと渦を巻いていて、「生ビール」はこのパイプを通り抜けることによって、まわりの氷水で瞬間的に冷やされ、ジョッキに注がれるときには、美味しい温度になっているというわけだ。メリットは装置がコンパクトであること。省スペースであるため、ほとんどの酒場で使用されているのがこの「瞬冷式サーバ」なのだ。そう、懸命な読者ならお気づきだろう、この場合「生ビール冷えてます」はウソであり、「生ビール冷やしてから注いでます」なのだ。
そしてこの「瞬冷式サーバ」には、あるデメリットがある。樽が冷やされていないため、品質の維持に問題があるのだ。ビールは冷蔵保存することによって品質が維持されるので理想は「樽冷式サーバ」だが、酒場に設置するのはなかなか難しい。ところが、酒場でもないのに樽が冷やされた状態で生ビールが注がれる場所がある。たとえば、野球場のスタンドだ。あらかじめ冷蔵庫で冷やされた樽を背負って売り歩いているため、限りなく「樽冷式サーバ」に近い状態の「生ビール」を飲めるというわけ。樽は保冷用カバーで包まれているだけなので、なるべく倉庫から出てきたばかりの売り子を見つけて購入しよう。今シーズンも各球場で、生ビールを半額で飲めるサービスデーや、飲み放題チケットを販売している試合があるので、生ビールが好きな野球ファンなら、ぜひチェックしたいところだ。
ちなみに、最近、タレントまで誕生している野球場のビールの売り子だが、彼女たちが背負っているのは、ビールが7リットル入っている樽が11kg、これに、ガスボンベと減圧器、ガンと呼ばれる抽出機、ガンと本体をつなぐ金属製のフレキシブルホースを加えると、総重量は15kgを超える重装備。一度の出撃で注げるのは、大型紙コップで約17杯なのだそうだ。炎天下のもと、美味しいビールを注いでもらったら、ねぎらいの言葉をかけてあげよう。
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