「犯罪思いとどまらせる」 19歳に息子を奪われた母、実名報道解禁を評価
沢田智章さんの母、美代子さん。智章さんが子供時代に使っていたお道具箱はまだ捨てられない=7日、千葉県成田市(橘川玲奈撮影)
(産経新聞)
「大人と同じように名前が出るということが、犯罪を思いとどまらせる一つの理由になるのでは」。平成20年に当時19歳の少年に故意に車ではねられ、次男を殺害された千葉県成田市の沢田美代子さん(64)は、9日の法制審議会の部会で少年法改正の答申案が承認され、18〜19歳の実名報道解禁などが前進したことを評価した。(橘川玲奈)
事件が起きたのは20年11月10日夜。地方銀行に勤めていた次男の智章(ともあき)さん=当時(24)=は、支店での勤務を終え、最寄りの千葉県香取市のJR成田線小見川駅まで先輩と歩いていた。突然、背後からスピードを上げて迫ってきた軽トラックにはねられた。
「智章君が交通事故に遭いました」。自宅にいた美代子さんは上ずった声の勤務先の先輩から連絡を受け、夫の容之(やすゆき)さん(67)と病院へ急いだ。だが、智章さんは処置もむなしく、翌日の早朝に亡くなった。
逮捕された少年は軽度の知的障害があったが、家裁送致前の簡易鑑定では責任能力が認められた。父親との関係が悪く、誰かを殺害すれば、逮捕されて父親の束縛から逃れられると考えた上での身勝手な犯行だった。別の事件で保護観察中だったという。
家裁から検察官送致(逆送)を経て殺人などの罪で起訴された少年は、法廷で反省の意を示すことはなく、「少年だから死刑にならない」と発言、遺族感情を逆なでした。「せめて無期懲役に」と淡い希望を抱いたが、検察側の求刑は懲役5〜10年の不定期刑。判決もそのままだった。「甘すぎる」。無念さでいっぱいになった。
智章さんの事件では、19歳だった少年の実名や顔写真が報道されることはなかった。美代子さんは「18〜19歳は罪を犯しても(少年法に守られ)名前や顔が出ないことを知っている。少年法が隠れみのになっているのではないか」とし、実名報道解禁が抑止力になるはずだと訴える。
一方で、法制審部会の答申案でも、適用年齢の引き下げが見送られたことには納得していない。美代子さんらは被害者通知制度で服役中の少年の様子を知ることができたが、反省の態度はうかがえず、謝罪の手紙もないまま出所したという。「少年であれば更生するというわけではない」と、立ち直りの可能性に期待する現行法に疑問を感じている。
智章さんの遺品の手帳には将来の計画が細かく記されていた。「息子も悔しいはず。少年でも厳しく踏み込んだ対応をしてほしい」。少年法改正に向けて活動を続けてきた美代子さんは、今後も厳罰化を求めていくつもりだ。
https://news.goo.ne.jp/article/sankei
/nation/sankei-afr2009090028.html
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