大盛りあがりGO 「感染は自業自得」「東京人はさっさと帰れ」日本人はどうしてコロナで他人を攻撃するのか?
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「感染は自業自得」「東京人はさっさと帰れ」日本人はどうしてコロナで他人を攻撃するのか?

文春オンライン

〈さっさと帰ってください!! 皆の迷惑になります〉

 お盆の帰省シーズンを前に、大都市のみならず地方都市でも新型コロナウイルスの感染が拡大。それにともなって地方では、感染者に対する強烈なバッシングだけでなく、東京から青森に帰省した男性の家に冒頭で紹介したような文面の手紙を投げ込む事態まで起きている。どうして日本では、こうしたコロナをめぐるバッシングが横行するのか。

 社会心理学者で、各国の新型コロナに対する意識を調査した、大阪大学人間科学研究科教授の三浦麻子氏に聞いた。

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「オミセシメロ」。千葉県八千代市の駄菓子屋「まぼろし堂」に4月下旬に貼られた貼り紙 ©時事通信社

他国以上に「コロナは自業自得」と考える日本
 日本中で新型コロナウイルスの感染拡大が起こる中で、これまで感染が目立たなかった地域では「誰がウイルスを持ち込んだのか」と感染者をつるし上げるような事件が起こっています。 

 感染者への差別が広まれば、感染を隠そうとする人も増える。そうなれば無理をして重症化する人も出かねませんし、感染を隠すことでさらなる感染拡大を招くことも起こりうる。公衆衛生上の危機に発展しかねません。

 こうした社会の空気を裏付けるように、私たちが行った新型コロナウイルスに関する意識調査の国際比較でも、日本は特徴的な結果が出ています。

 私や慶應義塾大学の平石界教授、広島修道大学の中西大輔教授らの研究グループでは、今年3月から4月にかけて、日本、アメリカ、イギリス、中国、イタリアの5か国で、400人から500人規模の意識調査を行いました。

https://news.goo.ne.jp/article/
bunshun/life/bunshun-39658.html

 その結果、日本では「新型コロナウイルスに感染する人は、自業自得だと思う」という質問に対し、「そう思う」(「強くそう思う」「まあまあそう思う」「少しそう思う」の合計。以下同)と答えた人の割合が、11.5%と特に高かった。欧米3か国の割合は1%から2%ほど、中国も4.83%。「コロナは自業自得」と考える人が、日本は欧米に比べると約10ポイントも高かったのです。

 日本で「そう思う」と答えた人の割合は、全体から見ればごくわずかなのですが、他国と比べると驚くほどはっきり高かったわけです。本当なのか、と考えた私たちは、7月から8月にかけて再度、日本、アメリカ、イギリスで今度は1000人から1200人規模の調査を行いました。春とは別の方々を対象にし、対象者数も増やし、日本では性別と年代を人口比に合わせました。

 するとやはり「感染は自業自得だと思うのか」という質問に、「そう思う」と答えた人の割合に大きな違いが現れました。アメリカで4.90%、イギリスで1.36%だったのに対し、日本では17.24%にのぼったのです。この傾向が明確なものであることが示唆されています。

未知への恐怖から生まれる「被害者叩き」
 そもそも、ウイルスへの感染は誰にでも起こりうるものです。また、症状が重くなれば身体への負担も大きい。感染者は紛れもなく「被害者」であるはずです。ところが、日本では他国よりも感染自体を「本人の責任」とみなし、「被害者叩き」とも呼べる意識が強く見られるのです。

 では、どうして日本ではこうした「被害者叩き」意識が他国よりも強いのでしょうか。いろいろな解釈がありえますが、まず考えられるのが、「不確実性の回避」という観点です。

https://news.goo.ne.jp/article/bunshun
/life/bunshun-39658.html?page=2

 感染予防のために“3密”を防ぐなど対策が呼びかけられていますが、依然として新型コロナウイルスは分からないことも多い。まして、これだけ感染経路不明の人が多い状況ですから、偶然感染しても何の不思議もありません。こうした「不確実」で予測できない状態には、怖さを感じて、どうにか回避したい、という心理が働きます。そして、「どうにか原因や予測を立てられないか」と考えてしまう。つまり「感染する理由」を探そうとするのです。日本人のこうした「不確実性の回避」傾向は、世界的に見てかなり高いことが知られています。

 実際にはっきりと原因が分からなくても、何か“それらしい理由”を見つけ出して、「こんな無責任で悪いことをしたから、コロナにかかってしまったんだ」と思い込みたい。そうすることで、先の読めない不確実性に対応し、安心したい。そういった心理から「コロナにかかりそうな悪いことをしているやつには、鉄槌を下さないといけないんだ」とエスカレートして、バッシングに走ってしまう人がいるのかもしれません。

「日本特有の理由」はあるのか?
 そして日本では、「何か悪い目に遭ったのは、その人が悪い人物だからだ」と考える傾向も強く見られます。これを心理学では、「内在的公正推論」の強さといいます。

 アメリカでは、宗教への信仰心が強い人ほど、この傾向が強く見られます。興味深いことに、日本では宗教などにかかわらず、他国に比べてこの「内在的公正推論」が強い傾向が見られるのです。

 たとえば、日本では通り魔被害に遭った女性に対して、「そんな時間に外を出歩いているからだ」「そんな格好でうろついているからだ」と、被害に遭った原因を被害者に求める声がしばしば見られます。今回の感染者バッシングに対しても、これと同様に「コロナにかかったのは悪い人だからだ。そんな悪いやつには何をやってもいいんだ」という思いが生まれやすいのかもしれません。

 今回の調査では、人々の道徳観についても調査したのですが、日本は試験のカンニング行為などに対しても他国よりも批判的な意見をもつ人が多いことが明らかになっています。災害が多い国は、被災経験を重ねる中で規範が厳しい社会になりやすいことを示した研究もあります。日本は、国際的に見てかなり規範意識の高い国なのです。

 そんな強い規範意識をもっているために、辛抱強く感染予防行動を続けることができる人が多い一方で、「これだけ感染しないために色んなことを守れと言われているのに、感染したということは、感染者に問題があったんだ」と考える人も出てくるのかもしれません。

実は日本の「自粛警察」意識は低かった
 今回の調査で、日本人のコロナに対する意識について、もう一つ興味深い結果が出ています。

 それは、あれほど日本では「自粛警察」が話題になったにもかかわらず、国際的に見ると日本には、「非常時には政府の方針に他人が従っているかチェックしよう」という意識をもつ人が、かなり少なかったということです。

 春に日本中で出された「緊急事態宣言」では、自治体の自粛要請期間中に、営業自粛要請に応じないパチンコ店や飲食店をわざわざ探し出して市役所に通報したり、「店閉めろ」と脅迫文を貼ったりする「自粛警察」と呼ばれる動きに注目が集まりました。日本のいたるところで、そのような動きがあったように感じている人も多いでしょう。

https://news.goo.ne.jp/article/bunshun
/life/bunshun-39658.html?page=3

 ところが、意外な結果が出ました。私たちの今回の調査で、「非常時には、他の人たちが政府の方針に従っているか、一人ひとりが見張るべきである」という質問をしたところ、「そう思う」と答えた人の割合は、アメリカで60%以上、イギリスでは70%以上だったのに対し、日本では10%から20%程度でした。

 同時に、似たような「非常時には、他の人たちを政府の方針に従わせるために、個々人の判断で行動を起こして良い」という質問もしましたが、結果は同じ。春と夏の調査でも傾向に変化はありませんでした。

 英米では「政府の方針が決まっているなら、みんなでやらせるんだ」という“お節介”ともいえる意識が見られたのに対し、日本では「それはするべきでない」と、ある種はっきりとした線を引く人が多かった。国際的に見て日本はむしろ「反・自粛警察」意識をもつ人が多い国だといえるのです。

 では、どうして日本でも「自粛警察」が、あれほどあふれているように感じられたのでしょうか。

 一部の声の大きな人の意見は印象に残りますから、脅迫状が送られた事例などの極端な例に触れることで、そういう思いが強くなった可能性が考えられます。もっとも、大きな声を上げている人たちに、社会に害をなそうという思いはないでしょう。むしろ、人々に危険を伝えたいという善意から「よかれ」と思って、声を上げていると考える方が自然です。

 強い危機感と善意があるからこそ、繰り返し強く主張することになりますし、受け取った側も批判はしにくくなる。それに加えて、そうした「声」がニュースなどで何度も報じられると、まるで世の中にそういう考えの人が実態以上にたくさんいるかのように見えてしまう。福島第一原発事故の風評被害においても、同じようなことが生じていたかも知れません。

「一部の人」に振り回されないために
「自粛警察」が実態以上に蔓延しているという考えが広まれば、東京から青森に帰省した男性が「さっさと帰ってください」という手紙を受け取った事態のような、「正義」を背景にした言葉の暴力を恐れながら生活することになってしまいます。

 ここでご紹介した「自業自得」と「自粛警察」に関する調査結果は、他国との差異のパターンは対照的なものでしたが、いずれの場合も、全体から見るとごく少数しかもたないような意見でも、増幅されて社会全体の風潮であるかのような受け取られ方をすることがあるということを示しています。思い込みで作り上げられた社会によって、現実の私たちの命が脅かされるようなことがあってはなりません。

 パンデミックなどの有事に実際に直面した際の社会心理は、研究はおろか記録も少なく分からないことも多いので、ここで申し上げた結果に対する解釈は、推測の域を出るものではありません。私たちは今後も研究を継続し、さまざまな角度から検証していくつもりです。



※取材協力:平石界・慶應義塾大学文学部教授、中西大輔・広島修道大学健康科学部教授

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

https://news.goo.ne.jp/article/bunshun
/life/bunshun-39658.html?page=4

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