「人ごとではない」 警戒強める学校関係者 千葉の教諭感染確認 新型肺炎
千葉市立中学校の女性教諭が新型コロナウイルスに感染していたことが分かり、記者会見で説明する熊谷俊人市長=千葉市役所で2020年2月22日午前11時37分、加藤昌平撮影
(毎日新聞)
新型コロナウイルスの感染が広がる中、千葉市で22日、市立中学校教諭の感染が明らかになった。教諭が勤める中学は臨時休校や部活動の自粛を余儀なくされ、教育委員会は対応に追われた。
「子どもが不安」「病院を受診した方がいいのか」
市教委には22日、感染拡大を懸念する保護者から問い合わせが相次いだ。市教委は、感染が確認された教諭の勤務する中学の消毒を実施する予定だ。部活動は当面中止するとともに、生徒や保護者には不要不急の外出を控えるようメールで呼び掛けた。教諭に担任のクラスはなく、2年生の国語の授業を受け持っていた。この教諭との濃厚接触となる生徒や教職員の人数について、市保健所が調査している。
市教委は今後、経緯について保護者にメールで説明し、資料を郵送する。市立学校の全教職員についても過去の発熱状況を調査するといい、担当者は「高校受験を控える3年生に対しては、不安にならないように入試の情報を伝えていく」と話した。
この日記者会見した熊谷俊人市長は「疑心暗鬼になったり、児童生徒が不安になったりすることは避けたい。踏み込んだ情報公開はしていく」と話した。【加藤昌平】
◇「実態が見えず不安、国が対応策示して
全国の学校関係者はどう見ているのか。東京都内の公立中学校の養護教諭は「東京の学校で感染者が出るのも時間の問題だ」と冷静に受け止める。この教諭は、保健室に来る生徒に熱があった場合、早退させて病院の受診を勧めるなど感染に目を光らせてきた。インフルエンザ予防の一環で、班ごとに机を集めて給食を取るのをやめるよう指導もしている。ただ、いったん感染者が出れば、多くの子どもが集まる学校では感染拡大を防ぐのが難しいとも感じている。「できる限りの対策をするしかない」と自らに言い聞かせるように話した。
東京23区の区立中に勤める60代の男性教員は「人ごとではない」と警戒する。運動部を指導する同僚の間では、大会や対外試合の自粛が議論されている。3月に予定されている3年生の「卒業遠足」も中止の可能性が高い。「子どもたちは楽しみにしていたはずだが、仕方がない」と語った。大阪府では感染確認例が少ないが、公立中の30代の男性教員によると、周辺校では校外学習が中止になるなど影響は出始めているという。「いずれは感染者が増えてくるかもしれない」と警戒する。
ある自治体教委の幹部は「もし管内で同じことが起きれば休校の判断もしなければならない」と危機感を口にする。その上で、「新型コロナウイルスは実態がよく見えず、不安がある。素人判断で動いてはいけない。全国一律の対応策を国が方針として示してほしい」と訴えた。【大久保昂、千脇康平】
https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation
/mainichi-20200222k0000m040261000c.html
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