「レフトアローン」歴史に 芦屋のジャズライブハウスが31日閉店
ジャズライブハウス「レフトアローン」の店内=兵庫県芦屋市で、井上元宏撮影
(毎日新聞)
国内外のジャズアーティストに愛された兵庫県芦屋市東山町のジャズライブハウスの名店「レフトアローン」が31日に閉店する。1995年1月の阪神大震災では大勢のアーティストが冬の店先でチャリティーライブを開き被災者を元気づけた。若手の活躍の場にもなってきたが、近年は客足が遠のき、約40年の歴史に幕を閉じる。【井上元宏】
店は78年、同市平田町にオープン。80年代、主婦からオーナーになった内田たず子さん(71)が地元のジャズアーティストに助けられながらジャズ人脈を開拓。店名ともなった名曲を作った巨匠、マル・ウォルドロンまで多彩な顔ぶれが演奏した。88年にはモダンジャズの帝王と呼ばれたマイルス・デイビスも顔を見せた。
89年に現在地に移転し、6年後に震災で被災。内田さんが芦屋市内を車で走ると、路面には亀裂が入り、沿道の家はあちこちで潰れていた。「もう終わりだ」。店のピアノやレコードは無事だったが、気持ちは沈み込んだ。そこに駆けつけたのがアーティストたち。ピアニストの辛島文雄、ドラマーの小林陽一、サックスの渡辺貞夫……。店先でチャリティーライブを開き、常連客は炊き出しをした。「店を開けようか」。95年3月に再開の一歩を踏んだ。
店名の「レフトアローン」は、和訳すると「1人残されて」。だが、震災後、ウォルドロンは内田さんにこう語った。「この曲であなたにも会えた。日本では『出会い』という意味だよ」。内田さんは「多くの助けを受け、愛された。店にはいっぱい財産が詰まっている」と話す。
2010年からは長男の亮さん(43)が店長になり、若手の活躍の場にと力を入れてきた。最後のライブは29日。芦屋市出身のピアニストで「報道ステーション」のテーマ曲を手がけた、松永貴志さん(34)が演奏する。店の柱には小学生の頃のサインがあり、内田さんが「絶対プロになるのよ」と指切りげんまんして、書くのを認めたという。松永さんのライブは満席。31日まで店を切り盛りする亮さんは「若手には有能なアーティストが多く、飛躍のチャンスの場が一つ減るのは寂しいが、最後まで盛り上げたい」と話している。
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