「まるでホラー映画」 中国・武漢の病院、長蛇の列 募る恐怖といら立ち
中国・武漢の紅十字会医院で、医師の診断を待つ人々(2020年1月25日撮影)。(c)Hector RETAMAL / AFP
【AFP=時事】新型コロナウイルス流行の中心地となっている中国・武漢(Wuhan)の病院では、感染の疑いのある市民らが長蛇の列をつくり、せき込みながら何時間も診察の順番が来るのを待ち続けている。病院職員らは殺到する患者に対応できておらず、混乱の中、自力でどうにかしようとする受診者も出ている。
武漢市内には、拡声器から「うわさを拡散しないように。体調が悪い人は、間に合ううちに病院を受診しましょう」との呼び掛けが繰り返し流れている。
だが、新型ウイルス感染の疑いが生じた人がまず訪れる病院の一つに指定されている中国紅十字会(Red Cross)の医療施設の前で、AFPの取材に応じた人々は、いら立ちと無力感を口々に訴えた。
「最後に寝られたのは2日前。それからずっと、あちこちの病院を回っている」と30代の男性は語った。感染したのではないかと思って医師の診断を仰ごうとしたが、まだ診察を受けられずにいる。「この調子だと、順番が来るのは早くて明朝になるだろう」
あまりに長すぎる行列と、その無秩序さを指摘する声も相次いだ。心配で受診に来たもののその時点ではまだ感染していなかった人が、長い順番待ちの間に発熱した人からウイルスをうつされているのではと懸念する人や、行列の中で数人が失神したと証言する人も。
来院した市民の多くはプラスチック製の簡易椅子を持ち込んで、座って順番を待っている。中には、一人掛けソファを持ち込んだ現実的な男性の姿もあった。
人民帽をかぶった高齢男性は、1日中並んでやっと受診できたのに、「空き部屋がない」からと帰宅を促されたという。
武漢市内には外出時のマスク着用が当局によって義務付けられているが、病院内にはマスクをしていない人が複数いた。患者たちは自分で体温計を口やわきの下に差し込んで熱を測っている。病院の玄関口では、人々の出入りを確認する様子もなかった。
武漢市内では26日から車の通行が規制されているため、認可を受けた地区委員会のボランティアが患者を病院に搬送する役割を担っている。
新型ウイルス感染者のほとんどは湖北(Hubei)省のに集中している。武漢の住民らは、実際の感染者数は発表よりずっと多いのではないかと疑っている。取材に応じた男性の一人は、病院内には「多数の死者」がいたと証言。遺体が適切に運び出されたとは思えないと述べ、「まるでホラー映画のようだった」とコメントした。
【翻訳編集】AFPBB News
https://news.livedoor.com/article/detail/17726120/
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