使い道ほぼなし レア運転免許「大型特殊二種」「けん引二種」 なぜ取る人がいるのか?
15種類ある運転免許のなかで保有者が最も少ないのが「大型特殊二種」、次が「けん引二種」です。これらは実質ほぼ「使い道がない」ともいわれますが、どのような免許なのでしょうか。
保有者数は「大型二種」の5%以下
運転免許の種類は2019年現在で15種類ありますが、そのなかで保有者数が最も少ないのが「大型特殊(大特)二種」、次が「けん引二種」です。2018年末現在の保有者数は、大特二種が4万1560人、けん引二種が4万6446人で、いずれも「大型二種」89万6127人の5%以下となっています。
二種免許は、バスやタクシーなど、旅客を乗せて有償運送を行うために必要な免許です。また、大特免許はクレーン車やブルドーザーといった大型重機などを、けん引免許はトラクター(けん引車)とトレーラー(被けん引車)からなる「けん引自動車」を運転するための免許ですが、それらの二種免許が必要な車両とは、どのようなものでしょうか。
武蔵五日市駅と、東京都日の出町のつるつる温泉を結ぶトレーラーバス「青春号」。運転には、けん引二種免許が必要(画像:日の出町)。
じつは、大特二種免許が必要な車両は、日本に存在しないといわれています。一方、けん引二種免許が必要な車両としては、西東京バスが東京都日の出町から受託運行しているSL型バス「青春号」が挙げられます。
「青春号」は、トラクターに客車をつないだ「トレーラーバス」と呼ばれるもので、戦後の一時期には多く見られたものの、現時点で公道を走っているのは日本で唯一とされています。西東京バスによると、同社内でもけん引二種免許を保有している社員は非常に少ないそうです。
ほぼ使い道なしの免許、どんな人が取る?
大特二種と、けん引二種のメニューがある加美自動車学校(大阪市平野区)によると、やはりいずれも「免許をコンプリートされたい方」が取得を目指すケースが多いそうです。ただ、けん引二種については「一種免許で可能な車両を運転されていても、『二種を持っていたほうが安心できる』と、会社から要請されて来られる方もいらっしゃいます」といいます。
通常、運転免許は指定自動車教習所を卒業して1年以内であれば、免許センターでの技能試験なしで免許を取得できますが、けん引二種、大特二種については対象外です。加美自動車学校で可能なのは、あくまで練習であり、そのうえで実技を含む免許センターの試験に合格しなければなりません。全日本指定自動車教習所協会連合会によると、いずれの免許も需要が少なく、「教えられる教習所も極めて少ない」そうです。
ちなみに2018年、大特二種免許試験は1514人が受験し、455人が合格。けん引二種免許試験には1839人が受験し、408人が合格しました。合格率はそれぞれ30.1%、22.2%となっています。
乗りものニュース
https://news.livedoor.com/article/detail/17542682/
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