死ぬのは5人か、1人か…授業で「トロッコ問題」 岩国の小中学校が保護者に謝罪
学校の教室(写真はイメージ)=ゲッティ
(毎日新聞)
山口県岩国市立東小と東中で、「多数の犠牲を防ぐためには1人が死んでもいいのか」を問う思考実験「トロッコ問題」を資料にした授業があり、児童の保護者から「授業に不安を感じている」との指摘を受けて、両校の校長が授業内容を確認していなかったとして、児童・生徒の保護者に文書で謝罪した。
市教委青少年課によると、授業は5月に東中の2、3年生徒、東小5、6年児童の計331人を対象に「学級活動」の時間(小学校45分、中学校50分)であった。同じスクールカウンセラーが担当し、トロッコ問題が記されたプリントを配布して授業した。
プリントは、トロッコが進む線路の先が左右に分岐し、一方の線路には5人、もう一方には1人が縛られて横たわり、分岐点にレバーを握る人物の姿が描かれたイラスト入り。「このまま進めば5人が線路上に横たわっている。あなたがレバーを引けば1人が横たわっているだけの道になる。トロッコにブレーキはついていない。あなたはレバーを引きますか、そのままにしますか」との質問があり「何もせずに5人が死ぬ運命」と「自分でレバーを引いて1人が死ぬ運命」の選択肢が書かれていた。
授業は、選択に困ったり、不安を感じたりした場合に、周りに助けを求めることの大切さを知ってもらうのが狙いで、トロッコ問題で回答は求めなかったという。しかし、児童の保護者が6月、「授業で不安を感じている」と東小と市教委に説明を求めた。両校で児童・生徒に緊急アンケートをしたところ、東小で数人の児童が不安を訴えた。
市教委によると、授業は、県が今年度始めた心理教育プログラムの一環。スクールカウンセラーによる授業については資料や内容を学校側と協議して、学校側も確認してから授業するとされていたが協議、確認していなかった。
東小の折出美保子校長は「心の専門家による授業なので任せて、確認を怠った」と確認不足を認めた。【古賀亮至】
https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation
/mainichi-20190929k0000m040044000c.html
- 関連記事
-
- 「女子トイレにカメラ」通報したのは設置の張本人か (2018/02/26)
- 飲酒し緊急搬送、病室で医師に暴行 容疑で女逮捕 (2017/06/26)
- 「茅の輪」めぐり神社が訴え…苦しい胸の内は (2019/07/02)
- サル文字 優しさの証し 淡路島特有行動 真庭と比較し判明 (2019/12/02)
- コロナ重症者「ICU患者はカウント除外」 東京都の「独自基準」に医師も苦言 (2020/08/20)
- 群馬県「すき焼き」でギネス記録 1時間に745皿提供 (2018/11/25)
- 不倫相手には請求できず=離婚の慰謝料、初判断-最高裁 (2019/02/19)
- 大阪市長の迅速な仕事ぶりが話題 地震発生6分後からツイートで状況報告、9時過ぎには学校に休校指示 (2018/06/19)
- 「味がおかしい」…52歳職員がみそ汁に異物“混入” 【兵庫県伊丹市】 (2017/11/17)
- 猛暑 プールでも熱中症に注意 使用中止の学校も (2018/07/24)
テーマ : みんなに紹介したいこと
ジャンル : ブログ