世界で消える高額紙幣 渋沢栄一が「万札最後の顔」に?
東京急行電鉄のほとんどの駅の券売機では、8日からスマートフォンを使って1万円札を引き出せるようになる=2019年4月24日、東急東横線渋谷駅、榊原謙撮影
渋沢栄一は1万円札の最後の顔になるかもしれない……。
2024年のお札のデザイン一新を巡り、金融関係者の間にはそんな声がある。100兆円近くが流通し、紙幣の王様の1万円札。その未来を左右するのは、キャッシュレス化と世界的な高額紙幣廃止の動きだ。
6日までの10連休中、キャッシュレス推進の旗を振る経済産業省や、クレジットカード会社や電子マネー事業者が「キャッシュレス・ウィーク」を展開している。ポイント還元を普段より増やすなど、便利でお得な買い物を訴えるねらいだ。
JR東日本のSUICA(スイカ)の発行は7千万枚超。ナナコやワオンなど流通系電子マネーは小売店での利用が広がる。ネット通販では高額決済もできるクレジットカードが便利。加えて、スマートフォンで手軽に買い物できるQRコード決済対応の店も増えた。「現金なし」の動きが加速する。
最終消費のうち、現金を使わない決済比率は2017年に約2割。政府目標は25年に4割以上だ。キャッシュレスは便利なだけでなく、お金の使われ方をデータとして生かす新たな商機も生む。国策として進めて9割超になった韓国、7割近い英国や中国と比べて、日本は大きく下回る。政府が危機感を強める一因だ。
野村総合研究所の木内登英氏は「キャッシュレスの普及が今後進んでいけば、次回の紙幣刷新時には1万円札廃止の可能性があると思う」と指摘する。マネックスグループの松本大社長は4月の決算会見で、「お金の偽造を防ぐには(改ざんが難しいネット技術の)ブロックチェーンを使わないと無理。今回が最後の紙幣になるかもしれない」と、技術の進展でお金はデジタル化されると予想する。
日本の国内総生産(GDP)に占める現金の流通高は20%で、8%の米国や6%の韓国より高い。現金の中で特に多いのが、福沢諭吉が顔の1万円札。世の中に出回る現金の9割超(金額ベース)を占める。日本銀行が金融緩和でお金を大量に流していることもあり、1万円札の流通高は18年末に初めて100兆円を超えた。
その使われ方には変化もみられる。国立印刷局が今年度に刷る予定の1万円札は10億枚で、04年度以降で最も少ない。新しいお札の印刷枚数が少ないのは、傷みが目立つほどの使用が減ったことを意味する。ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏は「キャッシュレス決済やネット通販の利用増が、新札の印刷減少につながっているのでは」とみる。
超低金利でタンス預金が増えた、との見方もある。SMBC日興証券の推計によると、1~3月時点でのタンス預金は1万円札の流通高の半分の52・8兆円。流通量の多さほどには使われていない可能性がある。
■便利さの競い合い、日本ではしばらく続く?
世界では高額紙幣廃止の動きが広がる。現金は脱税やマネーロンダリング(資金洗浄)などに使われやすく、不正を防ぐためだ。
朝日新聞デジタル
http://news.livedoor.com/article/detail/16407704/
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