「大きな胸」コンプレックス 悩み共有、着けて解消
「オーバーE」の洋服を着た和田真由子代表(右)とスタッフ。サイズ展開は一般的な洋服と異なり、ブラジャーのカップサイズ(E~I)に身長も加味して選ぶ
他人から「うらやましい」と言われるけれど、当人には悩みの種。
そんな「大きな胸」コンプレックスを解消する洋服や下着が存在感を増してきた。これまでなかなか顕在化してこなかった胸の悩みに関心が集まり出した背景には、悩みをSNSなどで共有しやすくなったことなどがありそうだ。(津川綾子)
◆銀座に専門店
平成30年12月、東京・銀座に、胸が大きな女性のためのブランドとうたう「overE(オーバーE)」の店舗がオープンした。
代表の和田真由子さん(27)も同じ悩みを抱える一人。会社員だった頃、通勤中に胸の厚みでシャツのボタンが外れ、胸元が「ぱかっ」と開いているのを指摘され、恥ずかしい思いをした経験があった。
28年に発売した商品の第1弾は、仕事着にぴったりなシャツだった。胸元に「隠しボタン」を2つ施し、ボタンが外れないよう工夫した。今では胸を美しく、ウエストはすっきり見えるワンピースなどおよそ20点を展開する。
ユニークなのは、銀座の店舗は予約制で基本的に試着専門だということ。 「これまで着たいものが着られなかった人たちに、まずは洋服を選べる楽しさを味わってもらいたい」(和田さん)との思いからだ。試着室をウオークインクローゼットのようにし、ほぼ全商品をつるし、自由に着られるようにした。販売はインターネットショップのほか、全国のファッションビルの期間限定出店で行うが、新幹線で来る人もいるという。19日からは「博多マルイ」(福岡)、3月7日からは「なんばマルイ」(大阪)で行う。
◆小さく見せるブラ
一方、平成初期に「寄せて上げる」が主流だったブラジャーでも、今や「胸を小さく見せる」とうたうものが目立ってきた。
下着大手のワコールは22年、「CuCute(キュキュート)」と名付けたブラを発売。「豊かなバストをコンパクトに見せる」とうたう。27年にはセシールが「さらしみたいなブラ」を出し、「さらしを巻いたようにしっかりボリュームダウンできる」とした。ともに一般的なブラと違い、胸に2つの山を作らず、胸を平たくし、高さやボリュームを抑えるのが特徴だ。
どちらも売り上げは堅調で、「今後さらに伸びるとみている」(ワコール広報・宣伝部)。セシールは4月に「さらしみたいなブラ」の種類を増やす。
◆「SNSの力」
西武池袋本店(東京)でも、昨年12月から大きな胸の人のための洋服を置き始めた。平成も終わりを迎える今、なぜ女性の胸の悩みが明らかになってきたのか。
オーバーEの和田さんは「SNSの力が大きい」と話す。「今までずっと悩みを言えなかったという人たちが、SNSで悩みを明かし、ツイッターで広げてくれた」。昨年2月、同じ悩みを持つ女性がツイッターにオーバーEのシャツとの出合いを描いたマンガを投稿すると、2万5千回リツイートされ、3万6千件の「いいね」がつき、「overE民」との言葉をつぶやく人も出てきた。「巨乳、爆乳と、胸の大きい女性を指す既存の言葉は嫌なイメージがつきまとう。オーバーEが、それらに代わる呼び名になれれば」と和田さんは話している。
◇
■モダンな服を格好良く着るため
胸をコンパクトに見せるブラの台頭はファッションの潮流変化を受けたものと指摘するのは、ファッション誌「Numero TOKYO(ヌメロ トウキョウ)」の田中杏子(あこ)編集長だ。
1990年代後半以降、ステラ・マッカートニーさんやフィービー・ファイロさんといった女性デザイナーが活躍。「こうした女性デザイナーによるモダンなデザインの洋服は、胸をミニマイズ(小さく)したほうが格好良く着られるのです」と田中編集長。ちなみに「寄せて上げる」ブラが全盛の頃は、男性デザイナーが活躍し、まだボディコンが流行していた。
産経新聞
http://news.livedoor.com/article/detail/16036725/
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