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恵方巻きという「伝統」を作ったのは誰か 販促キャンペーンの死角

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(ITmedia ビジネスオンライン)

 2月3日の節分を控え、スーパーやコンビニでは恵方巻きの宣伝に余念がない。金箔など豪華な食材を使用した高級タイプ、奇抜な形の変わり種も登場している。

 もともとは関西発祥の風習とされてきた恵方巻き。Mizkanが2018年2月に調査会社を通じて約3000人にアンケートをとったところ、全国での恵方巻きの認知率は84.2%、喫食率は61.1%となった。いずれもここ数年の数字は横ばいだが、食べた理由として「年中行事だから」が最も多く挙げられるなど、行事として一定の支持を得ているようだ。

 ただ、コンビニの店頭のポスターを見るたびに「子供の頃、こんなに恵方巻きを目にしたかな?」と感じる人も少なくないのでは。SNS上では買ってきた商品や自作の料理を楽しむ様子がつぶやかれる一方で、「業界からの押し付けにはへきえき」「習慣が無いし買わない」などといった意見も上がっている。

 加えてここ数年、社会問題化しつつあるのがスーパーやコンビニでの恵方巻きの廃棄問題だ。SNS上で問題視する声が相次ぎ、あえて大量生産を辞めたと表明したスーパーの事例も話題になった。1月には、農林水産省が流通業界に需要に見合った販売を行うよう要請した。特定の商品について国が食品廃棄の削減を呼びかけるのは異例だ。

 他の年中行事と比べても、少し奇妙に見える恵方巻きという「伝統行事」。廃棄問題が取り沙汰されるほど一斉に、大量に小売りの店頭で売られるのはなぜか。そもそも恵方巻きはどこから来て、誰が「伝統」にしていったのかを追った。

●花街での遊びが発祥?

 恵方巻きの由来には諸説あるとされるが、「節分の巻きずし」をテーマに研究している熊本大学准教授の岩崎竹彦さんによると、大阪・船場(せんば)の旦那衆の遊びが発祥とみられる。大阪のすし店が所蔵していた1932年に発行されたすし店の組合の「巻寿司と福の神」というタイトルのチラシに、「節分の日に丸かぶり」「この流行は古くから花柳(花街)界にもて囃されていました」などと恵方巻きと同様の説明がみられる。岩崎さんによると、現在の恵方巻きに当たる巻きずしに関するチラシでは、これが現存する最古のものだという。

 こうした資料や記録に残る証言などを元に、岩崎さんは「恐らく江戸末期くらいまでさかのぼれるのでは」と推測する。ただ「近畿地方の習慣というより、あくまで大阪・船場に近い花街で旦那衆がやっていた遊びだった」(岩崎さん)。ちなみに1940年発行の同じすし店組合のチラシでは「幸運巻寿司」というタイトルになっていた。

●スーパーの販促で全国へ

https://news.goo.ne.jp/article/itmedia_business/
trend/itmedia_business-20190131_052.html

 岩崎さんによると、「節分に巻きずしを食べる風習」が全国化するための“種まき”を担当したのが、大阪にあるすし店やその材料であるノリ、厚焼き玉子の組合だった。1970年代頃から彼らは節分に巻きずしを食べる言われを盛り込んだチラシを大々的に広めるようになったという。ノリの組合は節分の時期にセールを行い、巻きずしの丸かぶり(丸かじり)イベントなどで盛り上げることでマスコミへの露出も強めていった。

 次の転機となったのが大手スーパーチェーンによる販促の全国展開だったという。岩崎さんによると、1982年頃にはジャスコ(現イオン)が厚焼き玉子の組合の作ったチラシを店頭に置くようになった。他のスーパーも追随するようになり、新聞にチラシを折り込むなどして巻きずしを節分に食べるようアピールしていった。

 岩崎さんは「スーパーとしては他の物も一緒に売るための工夫だった。店側が『節分に巻きずしを食べるのは伝統』と説明することで、知らない人も『昔からやってるんだ』と思うようになった」と説明する。こうして近畿や他の地方にも徐々に販促キャンペーンが広がっていったという。

●コンビニが「仕上げ」担う

 そして「全国展開の仕上げを担った」と岩崎さんがみるのがコンビニだ。全国チェーンのスーパーより、地方の郡部にも細かく出店している点が大きかったという。80年代から販売が始まったとみられ、少なくとも89年にはセブン‐イレブンが広島県の一部地域で発売した。

 セブン&アイ・ホールディングスによると、現地の店のオーナーから「こんな面白い風習がある」と提案があったのがきっかけだった。ちなみにこの時には現在の「恵方巻」という呼称が使われていたという。その後、同社が98年に全国発売するなど、コンビニ業界全体で恵方巻きを全国で展開するようになっていった。

 恵方巻きが話題の行事になっていった理由について、岩崎さんは「もともと節分は『悪いものを追い払う』行事。正月のように神様にささげる供物、つまりごちそうが必要なイベントではなかった。そこにうまく巻きずしが入り込んだ」と説明する。

●恵方巻きとは「伝統になってしまった」もの

 ただ、ここまで広まったのはやはり小売りによる宣伝の力が大きかったという。岩崎さんによると、他にも流通業界が特定の商品を売るため、一部地域の風習を全国に広めようとする動きはよくあった。例えば、四国に伝わるとされる「節分こんにゃく」という風習を、スーパーが他地域ではやらせようとしたことも。ただ、うまく定着せず広まらなかったものも多かったという。「恵方巻きはこうした取り組みのはしりだった。伝統かと聞かれると、『伝統になってしまった』ということだろう」(岩崎さん)。

 流通業界による大々的な販促キャンペーンによって全国に広まった恵方巻き。ただ、大規模チェーンが全国で一斉に同じタイミングで同じ商品、しかも日持ちしない物を売る手法に対しては批判も無いわけではない。

●画一的なマーケティングへの疑念

 流通やマーケティングが専門で学習院大学経済経営研究所の客員所員、中見真也さんは「小売りが節分の恵方巻きのようなストーリーを作ってイベント化し、少しでも売り上げを伸ばそうとする自体は良いこと」としつつも、「関西は恵方巻き文化圏だが関東は違う。全国チェーンだから全国でマーケティングを画一的にやる、という手法は、食品廃棄の点からはあまりよくないのでは」と指摘する。

 流通各社は地域ごとの恵方巻きの廃棄率について基本的に公開していないが、Mizkanの調査によると喫食率は発祥とされる大阪がある近畿で高く、“伝来”が遅れた東日本では比較的低い。中見さんは「セブン‐イレブンなどコンビニ業界は今、エリアマーケティングを進めている。関東なら関東の風習にマーケティングを合わせてもいいのではないか。それでも恵方巻きを全国で売り込みたいなら、売り切るか、売れなかった商品を有効活用する方法を工夫するべき」と話す。ちなみに、廃棄ロスを巡ってはコンビニ各社が予約販売をアピールするなどの対策を打ち出している。

 流通業界のキャンペーンとして広められていった恵方巻き。節分当日、各社の華やかな宣伝や趣向を凝らした商品を積極的に楽しむのも、「うちにそんな習慣はないので」と見過ごすのも消費者の自由だ。ただ、なぜ流通業界がここまでして「作られた伝統」を売り込もうとしているのか、その起源から考えてみるのも悪くないかもしれない。

https://news.goo.ne.jp/article/itmedia_business/
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