SNSで話題「まずいミカンの見分け方」は間違い?愛媛の研究者に聞いてみた
カメムシの被害を受けたミカン。果汁を吸われた場所が黄色くなっているが、果実が成熟して色づくと分からなくなるという。(愛媛県農林水産研究所 果樹研究センター提供)
(デイリースポーツ)
寒さも深まり、ミカンが旬の季節になりましたが、最近SNSで「まずいミカンの見分け方」が話題になっていました。皮が斑点のように緑色に変色している場所は「カメムシが果汁を吸った跡」のため、食べないほうがよいとのうわさですが、専門家に聞くとちょっぴり違っているようです…。本当においしいミカンの見分け方と一緒に真相を聞いてみました。
話題になっていたのは、ツイッターの「みかんの実がこんなふうに変色していたら注意!カメムシが吸った後かも…」という投稿。皮をむいたミカンの実のクローズアップが写され、茶色くなった部分を「カメムシが吸った跡」と説明。「凄まじく不味い」ため、食べないように−と注意していました。また、ミカンの皮に緑っぽい斑点があらわれたような写真も掲載し、変色した部分に気をつけるよう紹介していました。
そこで、もっと確かな見分け方を知りたいと、かんきつ類の収穫量日本一の愛媛県にある、農林水産研究所果樹研究センターに問い合わせてみました。すると研究員の方からは意外な答えが…。
「カメムシの被害を受けたミカンの実を、一般の方が見分けるのは難しいと思いますよ」
え?
「味の変化も、少々の被害の場合は普通の人には分からないと思います。私も分からずに食べています」
本当?そうなんですか?
◇ ◇
もともとカメムシはヒノキなどが生えている山の中にいますが、エサがなくなると果樹園にやってきて、ミカンなどの果汁を吸うことがあるそうです。
ただ、カメムシが果汁が吸ったところは「黄色く、先に熟れたような状態になる」。そのため、果実が成熟して黄色やオレンジ色に色づくと、全体に同化して分からなくなってしまうそうです。
「針で刺したような穴が残ることもありますが、よく見ないと判断できないと思います。SNSで書かれているような緑色の斑点は別の理由かもしれません」
なるほど。しかし虫が吸って味が変わっているといわれたら、食べる側としては気になりますよね…。
「いえいえ、1、2カ所カメムシが果汁を吸った程度では、ミカンの味はそんなに変わりません」
カメムシが果汁を吸ったところは、皮が実にひっかかったようになり、むきにくくなることはあるそう。その場所は果汁が吸われているので、ひどい場合は水分が少なくなったような状態になりますが、「少しの被害であれば、敏感な人は分かるかもしれませんが、そんなに気にしなくても大丈夫だと思います」。
大量のカメムシが実のかたちを変えるほど果汁を吸ったものは問題ですが、そんな実は農家の人たちが収穫時に選別して、出回らないようにしているそう。だからこそ、カメムシのことを気にするよりは「味のよいミカンを見分けて、おいしく食べてほしいです」。
ちなみに研究者おすすめのおいしいミカンは下記のようなものだそうです。
・小ぶりなもの(小さい方が味がはっきり。大きいと大味に)
・ヘタ部分に注目、木の枝につながる軸が細いもの(太いと水分が多くなり、これまた大味に)
・油ほう(果面の油が入ったブツブツ)が全体にまんべんなくあるもの
愛媛県のミカンは今シーズン、西日本豪雨の影響もあったそうですが、全体的には豊作傾向といいます。味についても「酸が低く『食べやすいミカン』に仕上がっています!」とのこと。おいしいミカンと一緒に、年末年始のコタツライフを楽しみましょう!(神戸新聞・川上隆宏)
https://news.goo.ne.jp/article/
dailysports/life/20181220041.html
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