秋の行楽シーズンにスズメバチ大量発生の恐れ 「黒いもの攻撃する習性」専門家が注意呼びかけ
攻撃性が高く、何度も刺されると死に至る危険もあるスズメバチ。
秋の行楽シーズンを迎え、山林などでスズメバチによる被害が出ている。今年は春の気温が高く梅雨が短かったため、生育環境に恵まれ大量発生している恐れがあり、専門家が注意を呼びかけている。(橋本昌宗)
「今年は例年以上に個体数が多くなる条件がそろっている」。スズメバチの生態に詳しい玉川大学の小野正人教授はこう危惧(きぐ)する。
スズメバチは4~5月に巣作りを開始。最初は女王蜂が巣作りや働き蜂の産卵、孵化(ふか)後の餌やりなどを全て1匹で行う。気温が下がったり雨続きで餌がとれなかったりするとすぐ死んでしまい、蜂の巣が雨で流されることもある。
ただ、気象庁によると、東日本の今年4月の平均気温は平年より2.3度、5月も平年より1.1度高かった。このため巣作りが1~2週間早まり、巣を維持するのに欠かせない働き蜂の数も、梅雨の時期には例年より多かったとみられる。
さらに、今年は関東甲信地方で平年より2日早く梅雨入りし、22日も早く梅雨明けするなど、梅雨の期間自体も平年の半分ほど。巣への被害が比較的軽微で、多くのスズメバチが生き残った可能性がある。
小野教授は「秋は女王蜂が新たな女王蜂や雄蜂を産む時期。働き蜂も巣を守ろうと非常に攻撃的になる」と指摘。「木の空洞や土の中など思いがけない場所に巣を作ることもあり、注意が必要だ」と話す。
スズメバチは巣に近づく者を攻撃し、何度も刺されると血圧低下や呼吸困難、意識障害などの症状が出る「アナフィラキシーショック」を起こして死に至ることもある。
厚生労働省の人口動態調査では、平成29年にはスズメバチを含むハチが原因で13人が死亡。28年は19人、27年は23人が亡くなった。今年も今月8日、長野市内の山林でキノコ狩りの男性がスズメバチの群れに刺されて一時意識不明となり、様子を見に行った男性の母親も刺される被害が出た。
林業・木材製造業労働災害防止協会によると、スズメバチは黒いものを攻撃する習性があり、黒髪や黒いシャツ、カバンなども対象になるという。香水や整髪料の匂いにも敏感で近づいてくる可能性があるほか、ジュースの飲み口などに入り込むこともある。
同協会の担当者は「スズメバチを見つけたら目を伏せ、ゆっくり巣から遠ざかること。刺された場合は血圧が下がるので背負わず担架で運び、すぐに医師の診断を受ける必要がある」と注意を呼びかけている。
産経新聞
http://news.livedoor.com/article/detail/15477542/
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