豊洲市場オープン直後にトラブル続出 小池都知事は寿司店を貸し切りに
10月11日、2年間の「延長期間」を経て、東京都の中央卸売市場・豊洲市場がついに開場した。直後に場内を走る小型運搬車ターレから出火があった他、ターレ2台に挟まれて女性1人がケガをしたが、懸念されていた大規模な事故や機能不全には陥っていない。
豊洲市場仲卸売場棟の通路を行き交うターレ ©文藝春秋
“路駐”しているバイクや車も多い
ただ、83年間にわたって使われてきた築地市場からの引っ越しとあって、細かいトラブルや改善点には事欠かない。
その最たる問題が、市場の駐車場と駐輪場不足だ。毎朝、ネタを仕入れる寿司職人が語る。
「仲卸業者が入っている水産仲卸売場棟(6街区)には、私たちが使える駐車場は50区画ぐらいしかない。関係者に配られるIDタグがないと市場内に入れないシステムになっているが、それでも駐車場は圧倒的に数が足りない。空いているスペースに“路駐”しているバイクや車も多いけど、私はちょっと歩いたところにあるコインパークに停めてきた」
また、市場周辺では至るところに自転車が停められている。「駐輪場の抽選に申し込んだが外れてしまったので、路上に置くしかない」(市場内飲食店スタッフ)という声も聞かれた。
当初から予想されていた周辺道路の渋滞も現実のものとなった。物流を担うトラックなどの大型車両や買い付けにきた関係者の車両などが集まり、スムーズな交通はできなくなっている。特に築地方面に向かう豊洲大橋が開通する1カ月後までは、現在の混乱が続く模様だ。
「お店の作業スペースも小さくなった」
「『湿気がひどくてマグロにカビが生える』開場目前の豊洲市場に不安の声が高まる」で指摘された巨大な除湿機は、築地からの引っ越し直前に撤去されていたという。
「除湿機については、都からの説明はありませんでした。豊洲市場は(流通段階で食品を低温に保つ)コールドチェーンの導入が目玉でしたが、実際にはあちこちで搬入用のシャッターを開けたまま作業しているので、外気が入ってきて意味がない。排水溝や通路の仕様なども私たちの意見が反映されないまま作られたので、いちいち使い勝手が悪い。お店の作業スペースも小さくなりましたし、これなら築地からわざわざ移転させられた理由がわかりません」(仲卸業者)
そうした声を知ってか知らずか、小池百合子都知事は開場の挨拶を行い、マグロの競りなどを視察した後、築地場内から移転した行列が絶えない人気店「大和寿司」を貸し切りにして舌鼓を打った。秘書やSP、村松明典市場長、築地市場協会の伊藤裕康会長らを引き連れた“知事御一行”の優雅な朝餉(あさげ)を知った仲卸業者は、「なんて能天気な……」と絶句した。
かつて防衛大臣としてアメリカを訪れた小池氏は、自らを「マダム寿司」と呼んで笑いを誘った。まずは市場を利用する人々の不安の声と向き合ってほしい。
(「文春オンライン」編集部)
文春オンライン
http://news.livedoor.com/article/detail/15429638/
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