<ノーベル賞>本庶氏、基金設立へ 賞金で若手研究者支援
ノーベル医学生理学賞の受賞が決まり、記者会見で質問に耳を傾ける本庶佑・京都大高等研究院特別教授=京都市左京区の京都大で2018年10月1日午後8時7分、川平愛撮影
(毎日新聞)
がん免疫療法につながるたんぱく質「PD−1」の発見で今年のノーベル医学生理学賞に選ばれた京都大高等研究院の本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授(76)は2日、毎日新聞の単独取材に応じ、賞金を活用して基金を設立し、生命科学分野の若手研究者を支援する考えを明らかにした。時期は未定だが、PD−1を利用して開発された薬の特許使用料も加え、将来的に1000億円規模を目指すという。
賞金900万スウェーデンクローナ(約1億1500万円)は共同受賞者のジェームズ・アリソン米テキサス大教授(70)と等分し、本庶氏は約5750万円を受け取る。これを原資に京大内に基金を設立する構想で、本庶氏は「PD−1は京大で生まれたので、京大への寄付が望ましい」と説明した。
また、本庶氏は、小野薬品工業(大阪市)が開発した抗がん剤「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)の特許を共同保有しているため、同社から入る予定の特許使用料も基金に加えて規模を拡大するという。
若い研究者を取り巻く研究環境は資金面などで悪化している現状があり、基金の対象は、生命医科学分野で基礎研究に取り組む若手研究者とする。本庶氏は「1000億円規模が実現すれば、年利を4%とすると年間40人(1人当たり1億円)を支援できる計算だ。国の予算からすればわずかだが、一石を投じたい」と話した。
本庶氏は国の科学研究予算について、国主導で大型プロジェクトを決め、多額を投じる「選択と集中」型の現状に疑問を呈している。1日の受賞決定後の記者会見でも「多額の研究費を1人(に集中するの)ではなく、10くらいの可能性を追求した方が生命科学は期待できる。若い人にチャンスを与えるべきだ」と指摘していた。【渡辺諒、菅沼舞、鳥井真平】
https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation
/mainichi-20181003k0000m040050000c.html
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