特殊詐欺、日本人学生は〝使い捨て要員〟か 中国版LINEで「受け子」役に指示…背後に犯罪組織
中国の犯罪組織が絡む事件の構図
特殊詐欺に関わったとして今年1月に中国人とともに兵庫県警に逮捕された日本人の男子大学生(20)が、無料通信アプリ「LINE(ライン)」の中国版とも呼ばれるアプリを通じ、犯行の指示を受けていたことが、捜査関係者への取材で分かった。
大学生は被害者からキャッシュカードを受け取る「受け子」役で、指示を出していたのは中国国内の犯罪組織とみられる。県警はアプリを悪用した中国組織の暗躍に警戒を強めている。
捜査関係者によると、逮捕された大学生が利用していたアプリは「微信(ウィーチャット)」。LINEと同様、スマートフォンの画面上などでメッセージをやり取りできる。大学生は「出会い系アプリの書き込みでアルバイトを見つけて応募した。指示は微信から日本語でメッセージが来た」と供述したという。
県警は1月末、百貨店員を装いカードをだまし取る特殊詐欺の電話が相次いでいた兵庫県宝塚市内で、中国人と一緒にいた大学生を任意同行。高齢女性からカード2枚をだまし取り、現金100万円を引き出していた疑いが強まったとして、詐欺容疑などで逮捕した。
http://news.livedoor.com/article/detail/14656556/
一方、大学生とともに逮捕された中国人の男(29)は、昨年7月以降だけで6回も来日しており、現金を引き出す「出し子」役だったとされる。県警は中国の犯罪組織が事件を主導した可能性が高く、逮捕された中国人の男が送金役も兼ねていたとみて捜査している。
大学生は微信からの指示について送信元は把握していなかったというが、捜査関係者は「被害者と直接接触しなければならない受け子は逮捕のリスクが高く、日本語を話す必要がある。組織側が会話もできる“使い捨て”要員として日本人を雇ったのではないか」との見方を示している。
SNSで国境超え犯罪、専門家「多国間協力が不可欠」
中国の無料通信アプリ「微信」は、中国系組織の関与が疑われる事件で連絡手段としてたびたび使われてきた。SNS(会員制交流サイト)の発達で、国境の壁を越えた組織的犯行が実行しやすくなっており、専門家は「多国間の捜査協力が必要だ」と指摘している。
平成28年末ごろ以降、旅行客を装ったマレーシア人が偽造カードを使い、高級ブランド品を購入する詐欺事件が日本各地で多発。逮捕された多くは中国系のマレーシア人で、指示役との連絡手段の一部には微信が使われていた。
また、警視庁が昨年、カード詐取事件の出し子として逮捕した中国人の男は、クルーズ船で来日。犯罪グループと微信でやりとりし、都内を中心に犯行を繰り返していた。
海外の犯罪組織が日本で振り込め詐欺などの特殊詐欺を成功させるには、言葉の壁があるが、電話をかける「かけ子」や被害者から現金などを受け取る「受け子」の役割を日本人が補えば、それが可能だ。
日中の犯罪事情に詳しい一橋大の王雲海(おう・うんかい)教授(比較刑事法)は「インターネットやSNSの発達に伴い、国境という障害がなくなり、メンバー同士で面識のない犯罪グループも出現するようになった。最新の犯罪に対応するには、捜査の技術力を高めるとともに、多国間で捜査協力することが不可欠だ」と話している。
産経新聞
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