国民的ゲーム「野球盤」長嶋茂雄と歩んだ60年
投球が本物のように打者に向かってくる3Dピッチング機能が初めて搭載された「野球盤3Dエース」
(日刊スポーツ)
<オトナの社会見学>
エポック社(本社・東京都台東区)の野球盤が今年、発売60周年を迎えた。第1号が発売された1958年(昭33)は、ミスタージャイアンツこと長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督(82)がプロ入りした。以来、野球の発展とともにゲームの内容も改良され、全71種で累計1400万台以上を販売してきた。今や2世代、3世代と、時代を越えて愛されている。
野球の発展を見越したかのように、野球盤は国民的なボードゲームへと発展した。「昭和33年、栄光の巨人軍に入団」で始まる長嶋さんの引退あいさつ(1974年10月14日、東京・後楽園球場)ではないが、ミスターの活躍と合わせるかのように受け入れられた。
エポック社の数原修マネジャー(47)によると、初号機は家具職人が60センチ四方の板に手作りで仕上げたという。大卒初任給が約1万2000円の時代。1750円で販売していたにもかかわらず、月産2000台と飛ぶように売れた。
新人長嶋はその年、本塁打王と打点王の2冠。当然新人王にも輝いた。「長嶋さんのプロ入りと、初号機発売が同じ年になったのはまったくの偶然。そこから野球の盛り上がりと、野球盤への注目度が比例していった」(数原氏)。
このゲームは、同社を創業した故前田竹虎氏(1918〜97年)が、ジグソーパズルの空いたピースにビー玉が転がり落ちるのを見て、捕球システムに応用した。投球はバネではじき出す。バットはゼンマイ回転で開発し、野球の基本プレーが盤面で表現された。
さらに面白くしたのが、72年登場の「消える魔球」だろう。人気漫画「巨人の星」の主人公、星飛雄馬(ほし・ひゅうま)が編み出した大リーグボール2号にヒントを得た。守備側のプレーヤーが投球後にレバーを引くと、ホームベース前方で球が落ちる。巨人V9時代、野球好きになった子供たちを熱くさせた。
作り手側は、時代を反映させながらゲームを改良してきた。過去には人工芝球場(77年)や、東京ドーム新設に伴うビッグエッグ野球盤(88年)など新しい話題も応用されている。最近では電光掲示板表示(09年)、草野球などで使われる高反発バットを打者に搭載した「スラッガー人形」(10年)で、打球がアーチを描けるようにした。
15年には「3Dピッチング機能」で、投球が本物のように本塁に向かって飛んでくるようになった。「アナログな中でも、よりリアルに近づけたいと技術を進化させてきた。まだ盛り上がる要素はある」と数原マネジャーは言い切る。昨今、投手の球種はかつての直球、カーブなどから、ツーシームなどに発展している。このための研究、開発も進んでいるという。
後発の人生ゲーム(68年発売、タカラトミー)とともに、日本のボードゲームの大きな柱となってきた。デジタルのゲームソフトが隆盛を極めても、親子やおじいちゃんと孫など、世代を超えて楽しめる。野球盤は野球文化を凝縮した、まさに「永久不滅」のゲームだ。【赤塚辰浩】
https://news.goo.ne.jp/article/nikkan
sports/nation/p-so-tp0-180408-3010.html
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