飲酒で顔が赤くなる人は膀胱がんに注意
習慣的な飲酒を見直してみては
(ケータイ家庭の医学SP)
適度な飲酒を心がけて
国立がん研究センターは、飲酒と膀胱がんの関連についての調査結果を発表しました。飲酒で顔が赤くなる人とそうでない人では、膀胱がんの発症リスクに違いがあることがわかっています。
◆この調査は、岩手県二戸、茨城県水戸、大阪府吹田、沖縄県宮古など、全国の10保健所管内に住む40〜69歳の男女約9万5千人を対象にしたものです。平均18年にわたる追跡調査にもとづいて、飲酒と膀胱がん罹患の関連を調べました。
◆対象者には飲酒習慣について回答してもらいました。「ほとんど飲まない(月に1〜3回以下)」「週150g(エタノール換算)以下飲む」「週151〜300g飲む」「週301〜450g飲む」「週451g以上飲む」の5段階に分けて調査。また、飲酒で顔が赤くなるかならないかについても聞いています。
◆なお、アルコール(エタノール)20gに相当するお酒の量は、ビール中瓶1本500mL、日本酒で1合(180mL)、焼酎0.6合(約110mL)、ワイン1/4本(180mL)、ウイスキーダブル1杯(60mL)です。たとえば、毎日晩酌として日本酒1合を飲む人は、7日×20gで週140gとなります。
◆追跡調査中に、464人(男性354人、女性110人)が膀胱がんを発症したことがわかっています。年齢、性別、居住地域の偏りや喫煙による影響を統計学的に調整し、飲酒と膀胱がん発症との関連を検討しました。
▽▼▽顔が赤くならない男性は など▽▼▽
(監修:虎の門病院 内分泌代謝科医長 宮川めぐみ)
https://news.goo.ne.jp/article/kateinoigaku
/life/kateinoigaku-20180313164332587.html
◆「ほとんど飲まず顔が赤くなる」男性を1とした場合、「顔が赤くなり飲酒量151〜300g」で1.67倍も膀胱がんの発症リスクが高くなることがわかりました。一方で、顔が赤くならない男性は、どのグループでも膀胱がんのリスク上昇はみられませんでした。なお、女性は膀胱がんの発症数および飲酒量も少ないことから、解析は行わなかったということです。
◆この結果から、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドが膀胱がん罹患と関連している可能性が示唆されました。アセトアルデヒドは発がん性物質としても知られています。飲酒で顔が赤くなる人は、遺伝的にアセトアルデヒドを分解する力が比較的弱く、体内に残りやすい人と思われます。
◆なお、今回の調査で「顔が赤くなり飲酒量301g以上」では、膀胱がんのリスク上昇はみられませんでした。これは、顔が赤くなるといった自覚症状と、アセトアルデヒドの分解能力が完全に一致しないことがわかっており、顔が赤くなると答えた大量飲酒者の中に、アセトアルデヒドの分解能力が高い人が多く混在していたためと考えられます。
◆つまり、大量にお酒を飲むことで膀胱がんへの影響がなくなるということではありません。大量飲酒はがんだけでなく、循環器や脳などの疾患や死亡リスクが上昇することもわかっています。これを機会に、習慣的な飲酒を見直してみてはいかがでしょうか。
(監修:虎の門病院 内分泌代謝科医長 宮川めぐみ)
https://news.goo.ne.jp/article/kateinoigaku/life/
kateinoigaku-20180313164332587.html?page=2
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