高木菜那、その見事な戦術に銅のオランダ選手脱帽 「やりたいレースができなかった」
高木菜那【写真:Getty Images】
高木は後ろにつけて最後に絶妙のインつきで金、このレース運びは完璧だった
平昌五輪は24日、スピードスケート新種目の女子マススタートで高木菜那(日本電産サンキョー)が金メダルを獲得した。チームパシュート(団体追い抜き)に続き、2個目の金メダルを獲得した高木の偉業に称賛が集まっているが、銅メダルだったオランダのイレーネ・シャウテンは、高木の見事な戦略に脱帽している。
オランダテレビ局「NOS」のインタビューに答えたシャウテンは悔しさを隠さなかった。
「まだ飲み込めていない。タカギとキムに勝利することは可能だと思っていたが、あまりにも早くに先頭に立ってしまい、このまま行くべきか、それとももっと後まで(力を)残すべきかと悩んだ結果、行ってしまえと。最後に彼女たちに抜かれてしまったことは残念」
残り1周と少しの時点で先頭に立ち、そのまま押し切りを狙った。最終コーナー付近まで先頭に立っていたが、コーナーで膨らんだ間隙を高木とキム・ボルム(韓国)に突かれ、3位フィニッシュ。
「銅メダルは嬉しいけど、とにかく自分たちがやりたいレースができなかった。本来のプランではアヌーク(ファンデルバイデン)が最後の2周を思いっきり行って引っ張り、私が最後の300mで抜け出すつもりだった」
シャウテンは展開面での誤算があったと振り返った。リンクを16周するマススタートでは風よけのために前に選手を置いたり、スパートのタイミングなど、駆け引きが大きなウエートを占める。決勝の16人の中にオランダ選手が2人いたのは、圧倒的に有利かと思われたが、そうではなかった。
オランダから2選手が決勝に進んだことで、マークが激しくなった
「さらに不利に働いたのは、オランダ人が2人、日本人1人、韓国人1人だったこと。彼女たちが私達を意識することはわかりきっていた。タカギは私の後ろにつくために、押したり色々したりしているのは感じていた。レース中いちども私の後ろからはなれなかった。とにかく他にやりようがなかった。(残り)500メートルで先頭に立ってしまった。今はこの結果に満足している。これも戦略の一つだから」
オランダ勢が2人いたことが、逆に徹底したマークを受ける要因になってしまったと、シャウテンは分析。自身の真後ろにピタリとつけ、力を温存しつつ、最後にかける――。そんな高木の見事な戦略に脱帽していた。
そしてレース前に、日本スケートチームのヨハン・デビット・コーチとの間に、こんなやりとりがあったとも明かしている。
「先週、ヨハンは私に、『全然良くない』と言ってきたの。それでも彼はナナを私の後ろにつけるように指示したのだから、私を優勝候補に思ってたんでしょうね。全員が私の後ろについていた。昨年は一度もW杯は表彰台に登っていないのによ。練習でも見てるのかな」
ヨハン・デビットはシャウテンの元コーチでもある。力量、メンタル面、すべてにおいて彼女のことを知り尽くしていたのだろう。試合前の駆け引きから、シャウテンは翻弄されていたのかもしれない。高木菜那の金メダルの裏には、詳細で綿密な計算が隠されていた。(THE ANSWER編集部)
THE ANSWER
http://news.livedoor.com/article/detail/14351585/
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