老舗悲鳴!ウナギ絶滅危機 稚魚の漁獲量前年の100分の1に…規制しなければ減少一途

土用の丑の日にうなぎを食べる習慣は江戸時代に始まったとされるが、本気で見直すときがきているようだ。ニホンウナギの稚魚であるシラスウナギは今期、極度の不漁で国内外の漁獲量は前年の同時期に比べてたったの1%しか獲れてない。不漁といえば昨年はサンマが獲れないことも話題となった。専門家は「このまま何もしなければ減少傾向の延長線上にしかない」と指摘している。
「とても困っている。『うな重』も値段が上がっているせいかお客さんの数も減っている」と話すのは、東京都内で創業から100年以上経つ老舗鰻店の関係者。うな重を並で3000円、高価なものは4000円で提供している。関係者は「来年のことも懸念しているが、今のところ対策などの話は出ていない」と悔しそうだ。
東京・江戸川橋で1835(天保6)年創業の老舗「はし本」では、うな重の並が2600円、上3300円、特上4000円(全て税込み)で提供している。6代目店主の橋本信二さん(50)は「今のところは仕入れ値が1人前10円上がっている程度で言うほどでもない。ここ数年、うな重の値段は安定していたが、不漁となれば値段が上がるのではないかと心配だ」と話す。
国内で比較的早くシラスウナギ漁が始まる鹿児島県によると、漁が解禁された昨年12月10日からの15日間の漁獲量はわずか0・5キロしか獲れていない。これは43・4キロの漁獲があった前期の約1%にとどまり、関係者の間では衝撃が走った。台湾や中国でも同レベルで低迷しているという。
漁は今年4月ごろまで続くが、このまま推移すれば夏のウナギがさらに値上がりするのは必至だ。現在、絶滅危惧種に指定されているニホンウナギを、来年のワシントン条約締約国会議で国際取引の規制対象とするよう求める声も高まりそうだ。
漁業問題に詳しい東京海洋大の勝川俊雄准教授は「シラスウナギの獲れ高を事前に予想するのは難しいが、昔に比べて数自体が大幅に減っており、今年は増えた減ったと一喜一憂するような場合ではないはずだ」とし、減少した原因についてこう指摘する。
「護岸工事で河川の環境が変わった、海流の影響で日本にやってこなくなった、などの説があるが、これまでシラスウナギを獲りすぎたことも一因と考えられる。このまま何もしないでいたら、減少傾向の延長線上にしかない。漁獲量を規制する取り組みが必要だ」
ただ、問題は中国や台湾もウナギを獲っている点だ。勝川氏は「これらの国と共同して規制の枠組みを作るのは極めて困難」とも話す。
一説によれば、江戸時代に発明家、学者として知られる平賀源内が鰻屋から「夏に売れない」と相談を受け、これを逆手にとって土用の丑の日にウナギを食べることを広めたとされる。天才もこんな日がくるとは夢にも思わなかっただろう。
https://news.goo.ne.jp/article/fuji
/business/fuji-eco1801180010.html
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