【大阪】1型糖尿病患者らが「年金停止」で国を提訴
生活習慣に関係なく、一生付き合っていかなければならない「1型糖尿病」。その患者らが20日、国を相手に訴えを起こしました。障害年金を突然、止められたというのです。
原告代理人の弁護士は会見で、「原告らに対する支給停止処分は違法。裁判所の命令によって取り消されるべき」と話しました。20日、大阪地裁に訴えを起こした9人の原告。「1型糖尿病」の患者です。
症状は変わらないのに、理由の説明もないまま障害年金の支給が止められたとして、国を相手に訴えを起こしたのです。
「私の家族は主人も『1型糖尿病』。私も『1型糖尿病』。これからのことが、すごく不安で」
と話す、原告の1人・滝谷香さん(35)。
「障害基礎年金が不支給になりましたって、通知の用紙が突然来ました」とも話します。
「1型糖尿病」とは、血液を流れる糖を細胞に取り込む「インスリン」がうまく分泌できないために血糖値が激しく上下し、最悪の場合は意識不明になって死に至ることもある病気です。
生活習慣が原因といわれる「2型」と違い、幼少期にウイルスの感染などで発症することが多く、滝谷さんも5歳の時に発症しました。
今のところ根本的な治療方法はなく、1日に何度も注射などでインスリンを補充します。
滝谷さんは、「低血糖になってしまうと死んでしまう。意識がなくなって、自分自身、何もできない。(子どもと)2人の時間が多いので、ジュースが置いてある場所を子どもに教えていました」と話します。
低血糖になった時にすぐ糖分を摂れるよう、いたるところにジュースやお菓子を常備。
生活は危険と隣り合わせです。
瀧谷さんの夫・和之さん(35)も「1型糖尿病」を患っていて、インスリン注射や診察など、2人で月に5万円ほどかかるといいます。滝谷さん夫婦は、2人で月16万円ほどの障害年金を受け取っていましたが、香さんは去年打ち切られ、和之さんの分も来年には止められてしまいます。
突然の発作があるため仕事は限られ、収入は、非正規の仕事をする夫の和之さんと、香さんの内職だけ。
和之さんは、「もらっていた薬も今後は余裕なくギリギリで、切り詰めていかないといけないので、切羽詰まっている」と話します。
障害年金の停止は家族3人の生活を脅かしています。
和之さんと香さんは、「生きるための生活が削られている。なぜ不支給になったのか理由を教えてほしい」と切実な思いを話してくれました。
厚生労働省はABCの取材に対し、「訴状が届いていないのでコメントできません」としています。
https://news.goo.ne.jp/article/abc
/region/abc-20171120005.html
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