江東区と大田区、なぜ争う? 確執背景に活用構想 東京都臨海部の人工島帰属問題
「中央防波堤」の帰属をめぐる江東区と大田区の亀裂が決定的となった。2020年東京五輪・パラリンピックでボートなどの競技会場となるため解決を急いでいたが、都の調停は成立せず、大田区は都内では初となる境界確定の訴訟に踏み込む見通し。長年の確執の背景には両区がそれぞれ抱く活用構想がある。
「現在の海岸線からの距離を測れば、江東区が必ず有利になる。埋め立て前の江戸末期か明治当初の海岸線から測るべきだ」
大田区の担当者は、こう不満を口にした。東京湾埋め立てでできた多くの造成地が江東区に編入された経緯があるためで、両区の海岸線から等距離の線を基準にするなどした都の調停案は「合理的でない」との立場だ。
大田区には、この地に企業誘致を進め、羽田空港周辺の物流をより活性化させる構想がある。住人がいないため帰属が決まっても税収増のメリットはないが、担当者は「間接的な経済効果がある」と見越す。
一方、江東区は6月に両区の区長と議長が会談した際、都への調停申請を行い、結果を受け入れることで合意したと主張。区議からは「この期に及んでなぜ不平が出るのか。結論を先送りしようとしている」などと大田区の態度を批判する声も上がる。山崎孝明江東区長は29日、「早期解決という大義を投げ捨て、司法的判断に委ねる決断に至ったのは極めて遺憾」とのコメントを出した。
同区は東京五輪のボート・カヌー会場となることで、スポーツやレジャーの拠点に整備する構想を抱く。担当者は「区民の憩いの場になる」と期待する。
大田区は今後、江東区を相手に境界確定の訴訟を提起。その場合も、知事が境界を裁定することが可能だ。ただ、都内では帰属をめぐり訴訟や知事裁定に発展したケースは過去に例がない。小池百合子知事は27日の定例会見で「都としては調停案の受け入れを期待している」と大田区に調停案の受け入れを促していた。
訴訟になれば、解決までさらなる時間を要するのは確実。大田区の担当者は「裁判の進み方次第だが、3年後の五輪までに解決できるかどうかは全く分からない」と話した。(高橋裕子)
https://news.goo.ne.jp/article/sankei/
nation/trial/sankei-afr1710290016.html
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