ケネディ大統領暗殺事件機密文書の全面公開なぜ保留? CIA、FBIが大失態隠蔽の意図も…

【ワシントン=黒瀬悦成】米国立公文書館が26日、ケネディ大統領暗殺事件に関する機密文書の大半について公開を保留したことで、世界が注目した事件の「真相」の確定は、またしても先送りとなった。
中央情報局(CIA)や連邦捜査局(FBI)が、事件から50年以上たった現在もなお機密文書の全面公開を拒むのはなぜなのか。
国立公文書館が今回公開した文書2891件の大半は、過去に一部が公開された文書の墨塗りなどを解除して再公開したものだ。完全非公開だったのは約300件。全部で約3600件あるとされる非公開文書の1割にも満たなかった。
しかも、機密文書のうち研究家たちが注目していた、暗殺犯として逮捕されたリー・ハーベイ・オズワルド容疑者と事件前から接触があったと指摘されている当時のCIAダラス支局長、J・ウォルトン・ムーア氏に関する記録や、同容疑者が事件前にメキシコ市のソ連大使館などを訪れ、ソ連への再亡命を図った事実の詳細を解明する資料などは公開が保留された。
暗殺事件の翌年、「ウォーレン委員会」と呼ばれる事件の調査委員会がオズワルド容疑者による単独犯行と結論づけた報告書に関しては、同容疑者がキューバとのつながりがあったことから、同国のカストロ国家評議会議長の暗殺を何度も試みてきたCIAが、暗殺はキューバによる報復と見なされるのを恐れて同委に対して情報操作を行ったことがCIA自身の内部研究で確認されている。
ただ、キューバが実際に暗殺に関与したかどうかを解明する手がかりとなりそうな、当時のCIA防諜部長だったジェームズ・アングルトン氏に関する資料も公開が見送られた。
一方、今回初めて公開された、フーバーFBI長官が1966年にマービン・ワトソン大統領特別補佐に送った書簡では、複数の情報源の話として、ソ連当局がオズワルド容疑者について「ソ連のいかなる組織とも関係ない」と強調するとともに、米ソ関係の発展にはケネディ政権が好ましいとみていたことが確認され、いわゆる「ソ連黒幕説」を否定した形となった。
専門家の間では、機密文書が完全公開されてもオズワルド容疑者の単独犯行説は揺るがないとの見方が支配的だ。
また、事件から半世紀以上たち、関連資料の全容を公表したとしても国際情勢への影響が出るとは考えにくい中、CIAやFBIがいまなお文書の全面公開を拒むのは、存命中の外部協力者への配慮のほかに、事件前から同容疑者を監視下に置きながら縄張り意識などから情報交換や大統領警護隊(シークレットサービス)への通報を怠り、大統領を死なせるという大失態を覆い隠す意図もあるとみられる。
実際、初公開文書の中には、FBIとCIAが事件を受けて連携強化を確認したことを示唆する内容の文書も含まれていた。
http://news.livedoor.com/article/detail/13810790/
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