ラグジュアリー化する「ラブホ業界」の裏側――若い女性客を狙い2000万円をかけた超高級な部屋も
今、ラブホテル業界に大きな変化が訪れている。メインターゲットとなる客層は女性や外国人観光客へとシフト。それに伴い、これまで見られなかったような高級ホテルやテーマパークのようなホテルが続々誕生しているのだ。その裏側とは?
2000万円をかけた、超高級な部屋も誕生!!
繁華街の片隅に連なるいかがわしいネオンサイン、中に消えていくのはデリヘル嬢に人目を偲ぶ不倫カップル……。と、怪しいイメージが付きまとうラブホテル。だが、そんなイメージに反して、今業界には大きな変化の波が訪れている。ラブホテル評論家の日向琴子氏は次のように話す。
「実は若い女性客や外国人観光客が大きな収入源になっているんです。そのため、女子会やリムジン付きクルーズ、観光地を巡るツアーなどのプランも登場し、ホテル側はさまざまな新企画を打ち立てています。最新美容グッズや、オーガニック系のアメニティが充実していることも象徴的ですね」ゴージャス&コンセプト。非日常感で客の掘り起こし
当たり前だが、“ただヤルための空間”では女性客は訪れない。変化するラブホテルのひとつの潮流は「ラグジュアリー化」だ。
実態を確かめるべく訪ねたのは、東京・池袋にある「ホテル グラス」。最低宿泊価格9500円とラブホにしては高めだが、常時満室状態だという。なんと2000万円という破格の予算をかけ、改装を終えたばかりだという最上級の部屋は、約20畳もの広さで、半露天の大型ジャグジー付きだ。
「ジャグジーは数百万円の会員権で知られるリゾート『エクシブ』と同じもの。ベッド、クロスは輸入品で、アメニティも『フェラガモ』の製品を置いています」
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1357195
そう胸を張るのは同ホテルCEO。お客を飽きさせないため、同ホテルではこれまで6~7年周期で行っていた改装を、現在は3年スパンに変えたという。
「ホテル全体の統一感を保ちながら、部屋ごとに異なる設計士に任せ、雰囲気を変えています。ネットで情報が飛び交う今は、“飽き”のサイクルが速いですから」
細かなマーケティングを行い、客の意見を汲み取る姿勢は、一般の高級ホテルと同じだ。
https://nikkan-spa.jp/1357148
◇ラブホを銭湯代わりに?
「僕の場合はひとりで泊まるんですけどね(笑)。ライフスタイルが多様化するなか、チェックイン・アウトの時間に縛られる従来のビジネス、シティホテルは時代に合わなくなってきている。その点、ラブホは深夜からでも入れるし、サービスタイムなど柔軟性があります。タオルやシャンプーのレンタル費用を考えれば、スーパー銭湯と値段的にもさほど変わらないので、銭湯代わりに休憩利用をすることもあります」と語るのは、評論家の古谷経衡氏。
ラブホを銭湯代わりに……? にわかには信じ難いが、同様の使い方をするユーザーは少なくない。
「朝まで仕事で、次の日も昼出勤だと帰るのも面倒くさい。ひとっ風呂浴びて、仮眠するのに使っています」(歌舞伎町の飲食店員)
このように女子会から、銭湯代わりまで使い方が多様化しているラブホテルだが、社会学者の金益見氏は「そもそもラブホとは変化し続けるもの」と語る。
「歴史を遡ると、起源は江戸時代の出会い茶屋。戦前には円宿と呼ばれる1円で利用できるホテルが登場し、戦後は連れ込み旅館が大流行。行為が済むとすぐに帰ってしまう利用形態に合わせ、『休憩』などの時間貸しサービスが生まれた。回転率が上がったことで傷みやすい木造から鉄筋になり、’90年代はカラオケを導入、’00年代はアメニティを充実……と、ニーズに合わせて変化してきたんです」
また、変化を続ける背景には法律的な理由もある。
「ひとくくりにラブホテルと言われていますが、実は2種類あるんです。風営法に則っているものと、旅館業法で営業しているものがあります。一番わかりやすい違いは対面式のフロントがあるかどうかです」
現在、風営法のもとで営業しているホテルは’16年の時点で5670軒。これらの店舗は法律が改正されるたびに影響を受ける。
「’85年には“扇情的”という理由で、回転ベッドや鏡張りの部屋が規制されました。現存するものはそれ以前に設置されたものです」
ラブホテルとはかくありき、という定義があるわけではなく、時代とともに変わり続けるのがラブホテルであり、今もまさにその進化の途上というわけだ。金氏は「ラブホテルは住宅環境や羞恥心などが表れた、日本の文化のひとつ」と話す。あらゆる人を受け入れるラブホテルは、オリンピックを機に世界に誇るべきものの一つだ。
― 変化する[ラブホ業界]の裏側 ―
https://nikkan-spa.jp/1357148/2
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