性癖って、そういう意味じゃないんだけど…

最近、TVやマスコミの報道を見る、読むにつけ、
やたら日本語の誤用、誤読が気になってしかたない。
例えば誤読の場合だと、つい先日もTVで女性キャスターが
「私たちにとっても他人事(たにんごと)ではありません。」
とか発言していましたし、
代替品(だいたいひん)を「代替品(だいがえひん)」とか読んでる人が多いのも目立つ。
まあ、意味が通じるから、多少の間違いはスルーしますが、
そのうち誤読が一般的な読みになったりするかもしれませんね。
過去にも本来と違った意味の読みや言葉が、
定着した例もあるみたいですし。
で、最近、特に気になったのが、
性癖
っていう言葉の使い方。
先日、千葉でベトナム国籍の小3女児が殺害された事件でも、
容疑者の異常性癖とか書かれていたり、
某ベテラン女優の息子で俳優が、
ホテル従業員を強姦したとかで逮捕されたときも、
高〇畑容疑者の性癖
とか書かれてましたな。
これだと、性癖っていう言葉の意味が
性的嗜好というふうにとらえかねられない。
違います。
性癖の性って、性(セックス)じゃなくて
性質の性なんですよ。
要するに性格とか、そういうものに根差した癖っていうか…
例えば、すぐに嘘やホラを吹く人は虚言癖といわれますが、
そういった癖や傾向を性癖というわけです。
以下、引用します。
性癖(せいへき)とは、人間の心理・行動上に現出する癖や偏り、嗜好、傾向、性格。
性癖の語が持つ意味範囲は非常に広いが、個別・具体的な癖というより、その人のパーソナリティに根ざし、生活スタイルを方向づけるような行動傾向を指して用いられるのが本来の用法である。但し近年では下記の誤用(意味の限定)も広まっているため、本来の意味で使用しても読者がそのように受け取るとは限らず、誤解を招きやすい。それゆえ本来この語が持つ意味を言わんとする場合は別の語で言い換えられる傾向にある。ことばの分化、変容の過程をここに見ることができる。
物を片っ端から収集する収集癖や何事にも完璧を求める完全癖など、方向性や程度によっては世のため人のためになる性癖もあるが、見え透いた嘘を繰り返す虚言癖や自分の裸体や性行為を人に見せたがる露出癖、社会的欠陥があり現実では誰にも相手されないためアイドルを追いかけてしまうアイドル癖、悪いとわかっていながら盗みを繰り返す窃盗癖や火付けがやめられない放火癖など、病的なものや反社会的なものを指して性癖の語が用いられることは多い。また正義漢、お調子者、皮肉屋、けちん坊などといった人間の類型も、特徴的な性癖によるラベリングの産物である。
誤用について
21世紀初頭ごろから、性癖の語が「性的嗜好」の意で使用される傾向にあるが、これは、「性」を性質の意ではなく性別の意ととらえ「性癖=性的な癖」と誤解した結果に基づいた誤用である。「性癖」は性的なものだけにとどまらず、広い意味範囲を持った語である。
性癖 Wikipedia
まあ、性癖っていう文字をみたら、
性の癖=性的な嗜好
というふうに思いがちなのはあるでしょうね。
ところで、性癖を「せいへき」と読めない人もいるかもしれないなあ、と、
思ったりもするんですよ。
ひょっとして、「せいぐせ」とか読んでる人もいたりして…
それよりも、もはや
性癖っていう言葉が、
性的嗜好の意味で一般的になってる昨今を鑑みれば、
性癖の意味もいずれ変わってくるのかもしれませんなあ…
ゴウダタケシ
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