歯ブラシの誤解 山切りカットや電動歯ブラシの医師評価は?
【歯ブラシに関する知識は誤解だらけ?(写真:アフロ)】
コンビニやドラッグストアで何気なく手にし、毎日使っている歯ブラシ。その選び方、使い方の“常識”は、実は間違いだらけだった──。自分の歯を守るために、何が必要なのか。昨年、週刊ポストの「やってはいけない歯科治療」シリーズで業界のタブーを暴き、大反響を呼んだジャーナリスト・岩澤倫彦氏がレポートする。
◆電動歯ブラシは音波式より回転式?
〈手みがきの5倍の歯垢除去力〉VS〈手磨きと比べて12倍のブラッシング回数で高い歯垢除去力〉
前者は音波式、後者は回転式の電動ブラシのキャッチコピー。どうも数字の基準が違うらしい。どちらを選ぶべきか、頭を悩ませる人もいるだろう。
「音波式ブラシは、細かい振動によってバイオフィルム(※)の繊維を切れますし、歯周ポケットにもある程度有効だと思います。回転式ブラシは歯の表面に付いた頑固な汚れを除去するのが得意。各々の特性が違うことを理解して、選んで下さい。私は音波式を携帯しています」(日本歯周病学会 認定歯科衛生士・長岐祐子氏)
【※注/朝起きて歯を触り、ネバネバした膜が覆っていたら、それがバイオフィルム。以前はプラーク(歯垢)と呼ばれていたものと同じと考えていい。その中には歯周病や虫歯などの原因菌が、1g中に約1000億も存在している】
電動歯ブラシは、短時間で磨ける、利き手による磨き残しなどの偏りが少ない等のメリットがあるようだ。
歯周病指導医の弘岡秀明氏も、音波タイプの電動歯ブラシを使用している。ただし、メーカーによっては、交換ブラシのランニングコストが高い製品もあるので購入前に確認しておくべきポイントだ。
http://www.news-postseven.com
/archives/20170408_507186.html
◆人気の歯ブラシには弱点あり?
シニアに根強い人気を誇る歯ブラシが「天然毛」タイプ。ヤギや馬の毛は柔らかめで、歯と歯茎を傷めないとメーカーは説明する。
硬めの豚毛、中には穴熊や白馬の毛を使った歯ブラシもある。ただし、専門家の評価は今一つだ。歯科医の弘岡秀明氏(前東北大学臨床教授・スウェーデンデンタルセンター)がいう。
「天然毛は柔らかすぎる傾向があって、プラークの除去能力は高いとは言えません」
また、ロングセラー商品となっている「山切りカット」タイプの歯ブラシがあるが、日本臨床歯周病学会、認定歯科衛生士・太田由美氏はシニアの患者には勧められないという。
「毛先を単に切っただけの山切りカットタイプは、毛先の1本1本が鋭角になっていて、歯茎を傷つけてしまう可能性があります。それに山と谷の段差部分が深くて、磨く場所にフィットしない場合がありますので、患者さんにはフラットなタイプを勧めています」
山切りタイプを使い続けると歯根部分の歯茎が下がり、知覚過敏や虫歯になるリスクが高くなる。
※週刊ポスト2017年4月14日号
http://www.news-postseven.com/
archives/20170408_507186.html?PAGE=2
- 関連記事
-
- 新型コロナ後遺症 軽症・無症状こそ要注意 医師警鐘 (2021/02/21)
- 葬儀に様々な「おかしな演出」を展開する業者の経済的な背景 (2017/05/22)
- 子供の手足に急な「まひ」相次ぐ 注意! (2018/11/09)
- 還暦の貯蓄額25%が百万円未満 2千万円に遠く届かず (2019/06/17)
- 夜の営み、介護問題……夫が年上の「年の差婚」 女性には覚悟が必要? (2016/07/28)
- 喫煙原因で「年に700万人以上死亡」 WHOが声明 (2018/05/31)
- コロナで医療危機 終末期患者が入院先を追い出される可能性 (2020/04/08)
- 「ブラック産業医が復職阻止、クビ切りビジネスをしている」弁護士が警鐘 (2017/04/18)
- 【実録】信用できない歯医者・保険も勧めず5万円と言われ… (2017/04/26)
- 猛暑日本 将来は建造物に「耐熱基準」が必要、窓も不要に? (2018/08/05)
テーマ : みんなに紹介したいこと
ジャンル : ブログ