梅毒患者、はや1000人超え 昨年同期上回り、過去最速ペース
病原体の「梅毒トレポネーマ」(国立感染症研究所提供)
(産経新聞)
国立感染症研究所は4日、今年の梅毒の感染者が3月26日までに1013人(速報値)となったと発表した。42年ぶりに感染者が4000人を超えた昨年同時期(796人)を上回るペースで、現行の統計方法になった平成11年以降、最も速い。厚生労働省は体の不調があったら早めに受診するよう呼びかけている。
感染研によると、感染者は東京323人、大阪147人、神奈川61人、福岡55人、愛知45人、埼玉39人、兵庫37人−など都市部に多い。鳥取、島根、徳島では感染報告がない。
梅毒の感染者は戦後間もない時期には年間20万人を超えたが、抗菌剤治療が普及して激減。22年は621人にまで減ったが、昨年は昭和49年以来となる4000人を超え4559人(男性3174人、女性1385人)と激増した。特に20代前半の女性での感染増加が目立つ。
■原因不明の感染拡大
急増する梅毒の感染者を減らそうと、厚生労働省は人気アニメ「セーラームーン」を起用したポスターを作成するなど啓発に力を入れる。ただ、なぜ患者が増加しているかが分かっていないため、適切な感染防止策を打ち出すのは難しい。国は研究班を立ち上げ、原因究明を進めている。
梅毒は梅毒トレポネーマという細菌が皮膚や粘膜から入り込むことで起きる感染症で、主に性行為によって感染する。感染すると皮膚や性器にしこりができ、その後、赤い発疹が出る。発熱や倦怠感などの症状が出ることもあるが、数週間で消えることもあり、患者だけでなく医師も梅毒と気づかないことがある。
しかし、治療しないと脳や心臓に重い合併症を起こすこともあるほか、周りに感染を広げる恐れもある。性感染症に詳しい日本家族計画協会の北村邦夫理事長は「梅毒を疑って検査しないと見逃してしまう。実際の感染者数はもっと多い可能性もある」と指摘する。
北村理事長は「口の中の粘膜などからも感染するため、避妊具だけでは感染を防げない」と指摘。決められた期間、薬を飲み続ける必要があり、治っても再度、感染することもある。
さらに、ここ数年の傾向として厚労省が挙げるのが若い女性への感染拡大だ。厚労省結核感染症課は「20代前半の女性が増えている。妊婦が感染すると流産や胎児に感染する恐れがあるため注意が必要だ」として、気になる症状があれば早期の受診を勧めている。
https://news.goo.ne.jp/article/sankei
/life/sankei-lif1704040020.html
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