100円玉が100万円?とんでもない高値が付くエラー硬貨。偽造したら?
製造段階で何らかの不具合が生じた硬貨が、検査途中に取り除かれること無く、そのまま世の中に出回ってしまった硬貨を「エラー硬貨(エラーコイン)」と言う。具体的には5円玉や50円玉の中央の穴がずれた状態のものが代表例である。そしてこのエラー硬貨、驚くべきことにエラーであるにも拘らず流通量が少ないため、非常に高い値段でオークションで取引がされている。
試しに大手オークションサイトでエラー硬貨の価格を調べてみると、100円玉がなんと100万円で売られていた!これでどれほど価値があるかご理解頂けただろう。
さてそんなエラー硬貨だが、一つ問題がある。それはエラー硬貨を偽造する人がいることだ。事実、エラー硬貨を偽装し捕まった人が過去にいた。そこで今回は硬貨を偽造した場合の罪について飛渡貴之弁護士に話を伺った。
■貨幣を損傷したり加工したり鋳潰したりすると罪に問われる!
「硬貨は、法律上『貨幣』といいます。そして貨幣は、その目的にかかわらず、故意にこれを損傷したり鋳つぶすことは禁止されています」(飛渡貴之弁護士)
まずはこのように話す飛渡貴之弁護士。ちなみに貨幣であると規定しているのは、通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第2条第3項で、貨幣の偽造を禁止しているのは貨幣損傷等取締法第2項である。
ちなみに紙幣も硬貨と同様なのだろうか。
「貨幣と異なり、紙幣について、損傷及び加工を取り締まる法律はありません。間違って貰って困るのは、偽造紙幣を認めているのではありません。偽造紙幣は、刑法により取り締まっています」(飛渡貴之弁護士)
■もしも違反した場合は1年以下の懲役又は20万円以下の罰金
貨幣損傷等取締法を違反した場合、1年以下の懲役又は20万円以下の罰金と規定されているが、そもそもこの法律ができた背景はなんだろうか。
「貨幣はアルミニウムや銅等の金属で出来ており、加工等により他の物に転用が可能です。また500円が新しくなって難しくなりましたが、50円を同様の原料である500円に加工することも出来ました。つまりこれらを防止するための法律です。もちろん、流通している貨幣の散逸を防止する意味もあるのでしょう」(飛渡貴之弁護士)
■綺麗にするためだけに加工するならば問題はないが、やりすぎると…
無目的で貨幣を偽造する人はそうそういないだろう。やはりそこは悪用することに目的をおいているのだろうが、もしも純粋に貨幣を綺麗にするという目的だけで加工した場合でも、法律違反に問われることはあるのだろうか。
「貨幣を綺麗にすること自体に何ら問題はありません。確かに、研磨剤等を用いて、貨幣をきれいにすることはあり得ます。しかし、多少研磨し過ぎる程度ではなく、貨幣の輪郭が変わるとなると問題となるでしょう。そもそも、輪郭が変わるまで研磨することは、貨幣を綺麗にするためではないといえるでしょう」(飛渡貴之弁護士)
主にオークションで取引されているエラー硬貨だが、中には偽物も数多く出回っているという。これまで述べてきたように重大な罪に問われる硬貨の偽造であるが、そんなことはお構いなしと言わんばかり詐欺行為を働く人がいるというのだ。もしも購入する場合は、プロの鑑定士を通すことをお薦めしたい。
http://dailynewsonline.jp/article/1272317/?page=all
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