有名スポーツ選手も参拝 全国「足腰の神様」を訪ねる
【埼玉・子ノ権現天龍寺にある世界最大の鉄わらじ】
近年、「下半身専門」のパワースポット巡りが流行っているのをご存じだろうか。人呼んで「足腰の神様」。腰痛やヒザの痛みに悩まされる老若男女が頼りにする神社や寺が、全国に数多く存在するのだ。果たしてその御利益やいかに──。
お堂の軒下にズラリと吊り下げられた白いギプスの数々──なんとも不思議な光景が参拝客を出迎えるのは、大分県豊後高田市にある椿堂という弘法大師ゆかりの寺院だ。
「椿堂には、健脚だった弘法大師が椿の錫杖で突いて湧き出させたという霊水があり、全国から足腰のけがや病の治癒を祈願する参拝客が大勢訪れます。
ギプスのほか、たくさんの松葉杖なども奉納されています。日本には古来、病気は神仏に祈願して治してもらうという風習があります。最近では特定の御利益のある寺社に注目が集まり、とくに“足腰にいい”といわれる場所が人気を集めている」
そう話すのは、全国3000か所以上の神社仏閣を巡ってきた、神社仏閣専門家の坂原弘康氏である。
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【三重・宇治神社で野口みずきが奉納した絵馬】
◆御利益は「金メダル」
その坂原氏が足腰の神様として「筆頭格」に挙げるのが、京都市内にある護王神社だ。訪ねてみると、境内には狛犬ならぬ“狛猪”が建っていた。
「主祭神の和気清麻呂公が都から大分の宇佐に向かう途中で災難に遭われた際に、300頭もの猪が現われて清麻呂公をお護りしたと伝えられています。
その時、不思議にも清麻呂公が悩んでおられた足のけがが治ったという。この故事にちなんで、明治23(1890)年に拝殿前に猪像が建てられました。とくに足腰の健康保持、けが病気の回復に格別の御利益があると信仰されています」(護王神社の本郷貴弘・禰宜)
参拝するスポーツ選手は数多く、毎年12月に京都で開催される全国高校駅伝の大会前には、出場チームの多くが必勝祈願に訪れる。
俳優・船越英一郎(56)が2004年に椎間板ヘルニアで入院した際は、妻の松居一代(59)が代理で参拝。回復後には船越自身も御礼参りにきた。
「そのことがワイドショーなどで伝えられたこともあり、全国的に知られるようになりました」(本郷氏)
同じく和気清麻呂を祀る岡山県の和氣神社も、交通の便が悪い立地ながら、足腰で悩む人が大勢訪れる。
「深刻な症状で毎年祈願にいらっしゃる方もいますが、予防の意味で気軽に来られる方がほとんどです。お正月は初詣を兼ねた『足腰の神様』祈願で京阪神からの日帰りバスツアーの参加者も多かった」(小森国彦・禰宜)
マラソンの野口みずきがアテネ五輪前に参拝し、見事金メダルを獲得したことで一気に有名になったのが、伊勢神宮の内宮のすぐそばにある宇治神社だ。地元では古くから「足神さん」として親しまれている。
かつては伊勢参りを無事にできたお礼をする参拝者も多かったが、「野口みずきさんがこちらのお守りをつけてオリンピックで走られた頃から、マラソンや駅伝、競輪、サッカーなどの選手が来られるようになりました。もちろん足腰がだんだん弱ってきた高齢者の参拝も多いですよ」(禰宜)という。
参拝するには石段を50段ほど上がらなければならないが、「この石段をのぼるのがいいリハビリになっている」(70代参拝者)という人もいた。
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◆車椅子がいらなくなった
関東では、昨年連載が終了した人気漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』によく登場した亀有香取神社が「足腰の神様」を祀っていることで知られる。
「古くから旅の安全を祈願して、境内にある道祖神にわらじを編んで奉納する習わしがありました。主祭神は勝負開運の神様ですが、御社殿には参らずに道祖神様だけお参りされる方も増えています」(唐松範夫・宮司)
手相占いで知られる芸人・島田秀平(39)が「御利益がある」と紹介したこともあり、モデルや女性タレントが訪れて注目を集めた。
「重い足の病気を抱えていた10代男性が、最初は車椅子で家族に付き添われて来られ、その時はとても落ち込んだ様子でした。しかし、その後『無事に回復しました』と自分で歩いて報告に来られました」(唐松氏)
ステンレス製のわらじ(500円)に願い事を書いて奉納するという一風変わった祈願法があるのが、群馬県館林市にある子神社。宮司がいない小さな神社だが、知る人ぞ知る“足腰スポット”だ。
「健脚だった祭神の大黒様がわらじを履いて旅をしていたという伝説から、この祈願法が生まれました。年明けから1週間で、奉納されたステンレスのわらじは150足を超えました。元マラソン選手の高橋尚子さんも祈願に来たことがあるそうです」(氏子代表)
10年ほど前に参道にスロープがつけられ、高齢者や足の不自由な人も参拝しやすくなっている。
わらじといえば、埼玉県飯能市にある子ノ権現天龍寺は、重さ2トンもある世界最大の鉄わらじがあることで有名だ。飯能駅から車で40分、携帯の電波が「圏外」になるような山奥にあるが、見晴らし処から眺める秩父の山々は絶景。
「この山を登ろうとしたときに山賊に火を放たれ足腰を火傷したが、無事に治癒した子ノ聖という僧が昇天する際に『腰より下を病める者、一心に祈らば、その験を得せしめん』という誓いをたてたことから、足腰守護の寺として信仰されています」(櫛笥亮安・住職)
子ノ権現天龍寺は檀家を持たず、寄進だけで賄っている寺だが、年間で10万人ほどの参拝者が訪れる人気だ。前出・坂原氏がいう。
「『病は気から』というように、お参りするという行動を通じて気持ちを切り換え、安らぐとともに用心もするようになる。それが効果となって現われ、『御利益があった』となるのでは」
全国の「足腰の神様」を行脚することで、足腰はむしろ軽くなるということか。
※週刊ポスト2017年1月27日号
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