【島根女子大生死体遺棄事件】過去の性犯罪事件調べ、男浮上…撮影の画像所持
【平岡さんの遺体の一部が見つかった現場付近を捜索する捜査員ら（広島県北広島町の臥龍山で、読売ヘリから、２００９年１１月８日撮影）】
広島県北広島町の臥龍（がりゅう）山の山中で２００９年１１月、島根県立大１年・平岡都（みやこ）さん（当時１９歳）の遺体が見つかった事件で、島根、広島両県警の合同捜査本部は近く、遺体発見直後に交通事故で死亡した当時３０歳代の男が事件に関与したとして、容疑者死亡のまま殺人、死体遺棄などの容疑で男を書類送検する。
捜査関係者によると、捜査本部が今年に入り、過去の性犯罪事件を調べ直すなかで男の存在が浮上した。男は山口県下関市出身で、当時は平岡さんが住んでいた島根県浜田市に隣接する益田市に自宅があり、同市内で働いていたという。
捜査本部が事件前後の男の行動を調べたところ、臥龍山付近を車で走行していたことが判明。最近になり、男のデジタルカメラの中から平岡さんの画像データが見つかったという。
画像は、平岡さんが行方不明になった後に撮影されたものだったことが、捜査関係者への取材でわかった。平岡さんとの面識の有無については明確ではなく、捜査本部は詳しく調べる。
男は平岡さんの遺体が見つかった２日後の０９年１１月８日、山口県美祢（みね）市の中国自動車道で乗用車を運転中、ガードレールに衝突。炎上した車には男の母親（当時５０歳代）も乗っており、２人とも焼死した。下関市にある男の実家は、祖父の代からの米穀店。男と母親が亡くなった後、男の弟が美容室にして営業していたが、１～２週間前、「一身上の都合で閉店することになりました」との貼り紙が急に出され、姿も見えなくなったという。
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【平岡さんの遺体は臥龍山の山中で発見された】
捜査本部によると、平岡さんは０９年１０月２６日夜、浜田市のアルバイト先のショッピングセンターを出た後、行方不明になった。両親からの捜索願を受け、島根県警が公開捜査に乗り出したが、１１月６日に同山中で、切断された平岡さんの頭部が見つかった。その後の捜索で胴体なども発見。いずれも鋭利な刃物で切断されたとみられ、首には手で絞められた痕があった。平岡さんの遺体を運ぶのに使ったとみられる血痕のついたポリ袋の一部が、遺体に付着していた。
両県警は死体遺棄事件として合同捜査本部を設置。平岡さんがショッピングセンター近くで車に乗せられた可能性が高いとみて、不審車両の絞り込みを進める一方、交友関係のトラブルの有無などを調べてきたが、捜査は難航。１２年１１月、死体遺棄罪について公訴時効が成立し、殺人容疑で捜査を続けていた。
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