<大阪の26歳>女性初レゴ職人 設計図なしで自由自在に
作品に取り組む中山さん=大阪市港区のレゴランド・ディスカバリー・センター大阪で亀田早苗撮影
(毎日新聞)
この人にかかれば、どんなものでも組み立て玩具「レゴブロック」で表現できるのではないか。中山かんなさん(26)は、大阪市港区の「天保山マーケットプレース」に昨年4月にできた「レゴランド・ディスカバリー・センター大阪」で、レゴ職人「マスターモデルビルダー」を務める。コンテストを勝ち抜き、世界で13人目、女性では初めて選ばれた。
レゴランド・ディスカバリー・センターは独、米、英や東京など世界に計17カ所ある屋内型エンターテインメント施設だ。デンマーク・レゴ社のレゴブロックの世界で遊べる。自由に組み立てができるコーナーには、レゴブロックまみれになって興奮する子どもたち。たくさんないとしょぼいものしか作れないものなあ。大阪の街を再現したジオラマコーナーには大阪城などがあり、中山さんが3週間かけた大作「クイーンエリザベス号」も大阪港に停泊している。
中山さんの部屋には、約2000種、200色ものレゴブロックが種類別にぎっしり。ファンにはたまらないだろう。中山さんも作り放題のこの環境はうれしかったという。
小さい時からレゴブロックに夢中だった。「女の子は途中でやめることが多い」という玩具だが、中山さんは中・高時代も作品を「作っては壊し」を繰り返した。ロボット、家、車、飛行機……。プログラミングできるパーツを使い、動いたり、光ったりするものを作った。インターネット上で他の作品を見てまねながら、何百、何千とある技術上の「定石」を覚えた。
意外にも「設計図」をつくることはあまりないという。「イメージですよね。これから作ろうとしている恐竜なら、円筒形をずらして生物っぽいフォルムをつくるかな、とか」。その過程も楽しい。ただ「納期も予算も決まった中、いかに見た人が納得し、喜んでくれるものを作れるか」と、レゴ職人としての難しさも感じている。
中山さんには、もう一つの顔がある。阪大大学院基礎工学研究科の博士課程に在籍、ヒトの筋肉の使い方や合理性、エネルギー効率などを解析し、ロボット製作に生かす研究が専門だ。阪大に「レゴ部」も作った。研究は作品に関係ないそうだが、レゴブロックに親しんできたことは進路に関係していそうだ。
近作のお気に入りは、子どもに人気の某キャラクターのパロディー「アンパーツマン」。球形の頭は一部がふたになっていて内部にレゴブロックが入っている(ブロックで作れるのが不思議!)。「パーツが足りなくなった時、飛んできてくれる」そうだ。「ストーリーを考えてると楽しいんです」と、とろけるような顔をした。経歴もタダ者ではないが、ひねりの利いたユーモアの持ち主。作品にも個性が表れている。
中山さんは子どもたちに組み立て方のレッスンもしている。「将来ロボットを作りたい」という子も来るそうだ。子どもの流行に敏感になり「視野が広がった」という。
センターは3〜10歳とその家族が対象で大人(16歳以上)だけでは入場できない。18歳以上だけで入れる特別日「大人のレゴナイト」(8月は5日午後7〜9時)では、中山さんの作品を見せて制限時間内にその再現に取り組む「ノーインストラクションチャレンジ」が人気だ。中山さんは「難しいものを作って大人にも教えてみたい」。小さなレゴブロックから大きな世界が広がりそうだ。
【亀田早苗】
引用元:<大阪の26歳>女性初レゴ職人 設計図なしで自由自在に
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