コインパーキングの自動販売機で買える「だし」が大阪で人気です。元々、広島のしょうゆメーカーが開発したもので、2年前に「だしの関西」に進出しました。なぜ自販機で「だし」? なぜコインパーキング? 素朴な疑問がわきますが「ぞうすいに入れたらおいしかった」など評判は上々です。

トビウオが丸ごと一匹

 白い自販機に、一見、ウーロン茶のようなペットボトルが並んでいます。すべて「だし」です。商品名は「だし道楽」。炭火焼きアゴ(トビウオ)が丸ごと1匹と昆布も入っています。

 値段は650円。昆布だけのだしは450円です。自販機には「万能調味料」「あごが入ることであっさりとした、甘目のだしになります」との案内があります。

「営業時間外も買ってもらいたい」

 「だし」を作っているのは、広島県江田島市のしょうゆメーカー「二反田しょう油(にたんだしょうゆ)」です。2006年に直営のうどん店(広島県呉市)で売り始めましたが、営業時間外も買ってもらうため、、店の前に自販機を置いたのが始まりです。

 大阪には2年前に進出しました。今では大東市と茨木市にも1台ずつ、計4台の自販機が稼働中です。そのほか、岡山、福岡、名古屋にもあります。

 同社のホームページでは、自販機の設置場所が掲載されています。大阪の自販機には「売切れ状態が続いております」との断り書きがあるほどの人気になっています。

コインパーキング側も「差別化できる」

 自販機はコインパーキングに設置されています。自販機での販売を考えた時、「駐車した人がついでに買ってくれるのでは?」と思い、あえて駐車場にしたそうです。

 設置場所はいずれもコイン駐車場「三井のリパーク」の敷地です。駐車場を運営する三井不動産リアルティの担当者は「普通の飲料の自販機と差別化ができる。広島で実績があったので関西に来てもらった」と話しています。

「あっさり味で気に入ってもらえる」

 大阪に進出したのは2年前です。千林大宮の自販機に買いに来た60代の女性は「鍋の後、ぞうすいに入れたらおいしかった」と満足げな感想。

 「甘めですね。だしを水で薄め、カレーの残りに入れてカレーうどんにしたらおいしそう」。ドラマ「あさが来た」で料理指導をした広里貴子さんは「だし道楽」の味を、そう評価します。

 「二反田しょう油」専務の二反田圭児さんは「だし文化の関西に挑戦、という気持ちはないのですが、薄口しょうゆベースで薄めて使うものなので、あっさり味で気に入ってもらえると思います」と話しています。