搭乗拒否は障害者差別 脳性マヒの男性訴え

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 生まれつきの脳性マヒで歩くことができず、電動車いすを利用する兵庫県西宮市の大久保健一さん(38)が21日、「ジェットスター・アジア航空に搭乗を拒否された」として、記者会見を開いた。大久保さんは「障害者の差別にあたる」と訴え、日本弁護士連合会(日弁連)に人権救済を申し立てた。

 大久保さんは去年夏、出張のためジェットスター・アジア航空で福岡空港からタイのバンコクへ向かった。約2週間後、予約していたジェットスター便でバンコクの空港から帰国しようとしたが、チェックインして出国審査も通過した後、航空機の扉の前で待たされ、搭乗を断られたという。

 まず、問題とされたのが「介助者がいない」ことだった。しかし、大久保さんはこれまでも国内線や国際線に何度も1人で乗ってきたという。実際、バンコクに行く際も介助者はおらず、1人での搭乗だった。

 また、もう一つの問題とされたのが、電動車いすのバッテリーだ。バッテリーについては、これまでも機体や乗客が持ち込んだものから出火するなどトラブルが起きている。2013年にイギリスのヒースロー空港で飛行機から出火した事故でも、原因は機内に積み込まれた無線機のバッテリーとみられていた。

 しかし、大久保さんは事前にジェットスター側とやり取りし、電動車いすのバッテリーの安全性を証明する書類を送ったり、親会社のカンタス航空から車いすの搭載を承認する文書をもらったりしていたという。

 それでも飛行機は、大久保さんと大久保さんの荷物を載せないまま、出発した。大久保さんは搭乗を断られた後、ロビーのベンチで一夜を明かし、翌日のジェットスター便で無事、帰国することができた。

 大久保さんは今回の件について「障害者の差別にあたる」と主張、侵された人権に対し適切な措置をとる「人権救済」を日弁連に申し立てた。

 ジェットスター側は「最大限のケアを提供できなかったことについて心よりおわび申し上げます」とコメントしている。